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- 科名・属名 : スミレ科 スミレ属
- 特徴 :
草丈3〜13cmの常緑多年草。 注.APG分類では、学名(V. tasiroi var. tasiroi)
無茎種。地下茎は細くて短く、細い匐枝を地上に伸ばし、その先に新株を作る。
葉はロゼット状、葉身は菱状卵形〜三角状卵形、長さ幅とも0.5〜1.5cm。先は円頭、基部は普通広いくさび形、縁には低くて粗い鋸歯がある。質はやや厚く滑らかで光沢があり、表面は濃緑色で葉脈部は黄緑色、裏面は淡緑色、両面とも無毛であるが、縁に短毛がある。葉柄は長さ1〜3cm。
花は、径1.2〜2cm、白色で唇弁を中心に紫条が入る。花柄は長さ3〜7cm。花弁は細く、長さ8〜13mm、幅2〜5mm、唇弁が他の花弁に比べ小さいことはなく、側花弁の基部は無毛。距は太くて短く、長さ1.5〜3mm。花柱は虫頭形(カマキリの頭形)で、上部の翼の左右の張り出しは弱く、柱頭は前向きに突き出る。萼片は披針形、長さ3〜6mm、付属体は三角形で全縁。
果実(刮ハ)は広楕円状、緑色で不規則な斑点のあるものが多い。
葉が心形になり、基部も心形になるものを、
●イリオモテスミレ(f. takushii)(左下の写真)という。
- 分布・生育地 :
沖縄(西表・石垣島) (国外:日本固有) 山地の渓流沿いの岩上
- 花期 : 2〜4月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2009年2月21日 沖縄県西表島 中上・全体2 2004年3月25日 同 上 中下・全体3、以下(イリオモテを除き)全て 同 上 (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック) 左下・イリオモテ 2007年4月28日 同 上 (左下は詳細写真あり、写真をクリック)
- 撮影記 :
西表島の源流域は湿度が高く、3月というのに少し歩くだけで汗びっしょり。
冬に来た時葉を確認していたので大丈夫と思ったが、果たして咲いているだろうかと急ぎ足になった。沢沿いのコケ上に白い花が見えたときはホッとした。
葉が菱形になるのがイシガキスミレなどとの相違点である。
ただ、花期的に遅かったせいなのか、多くの花をつける株は側花弁が閉じている花が目立った。
南方の島に咲くこのスミレの仲間は、暑さを逃れ沢沿いの涼しい場所だけに生き残っている。
西表島の沢沿いは訪れる人もなく驚くほど静かで、ジャングルの中にいることを忘れてしまいそうだった。
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