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- 科名・属名 : タデ科 イブキトラノオ属
- 特徴 :
草丈5〜50cmの多年草。
根茎は短く、地中を横に這う。
花茎は直立し、開花初期は高さ5〜10cmと低く、果時には伸長して高さ20〜50cmになる。
根出葉は卵状心形で、長さ5〜10cm、幅3〜9cm。先は尖り、無毛で、長い柄がある。茎葉は下部のものは卵形で短い柄があるが、上部のものは卵状心形で、果時には茎を抱く。
花は茎頂および葉腋に短い穂状花序となって密につき、長さ1〜3cm、径7〜10mm。花弁はなく、花冠状の萼は白色で長さ2.5〜3.3mm、5裂する。
果実(痩果)は3稜形のある卵形、褐色で光沢があり、長さ2.5〜3.2mm。
- 分布・生育地 :
本州(岩手県以南の主に太平洋側)〜九州 (国外:朝鮮(済州島)、中国、東ヒマラヤ) 山地の林内
- 花期 : 4〜6月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2003年5月24日 長野県戸隠 中上・全体2 1993年5月8日 長野県軽井沢 中下・全体3 2017年5月28日 群馬県赤城山 (上、中上、中下は拡大写真あり、写真をクリック) 左下・花、右下・葉 同 上
- 撮影記 :
イブキトラノオより少し小さく、ハルトラノオより大きなこの花、若葉に覆われた初夏の林下で見かける。本州では比較的深い山の林下に多い。
この時期、いろいろな春から夏の花が咲き乱れ、咲き始めは10cmにも満たない草丈で、花も地味なこの植物には気がつかず通り過ぎてしまう。
ただ、花穂の白い部分を雪の筆に、何段にも咲く様子を九輪塔のように見立てた和名の付け方にはセンスを感じる。
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