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- 科名・属名 :
ウマノスズクサ科 カンアオイ属 注.APG分類では、属名(Asarum)
- 特徴 :
草丈5〜10cmの多年草。
葉は長楕円形〜卵状楕円形〜卵形、長さ3.5〜9cm、幅3〜6cm。先は尖るか時に円く、基部は心形〜やや重なる。表面は無地か雲紋があり、普通光沢はないが少しあるものもあり、葉脈の窪みは弱い。
花は薄い赤紫色〜薄い茶褐色でそれぞれ濃色の細点があり、萼筒は球形〜鐘状の短い筒形、長さ5〜9mm、幅6〜10mm、頸部は括れ、開口部は小さい。萼筒内部は普通暗赤紫色、格子状の隆起があり、縦では14〜30、横は2〜6。萼裂片は広三角形〜三角形、斜開または平開し、長さは萼筒より短いものから長いものまで色々ある。
雄しべは12本、花柱は6個、先端は開口部に達しない。
なお、特徴の解説は「日本細辛・寒葵保存愛好会」のHP(https://kanaoiasarum.jomdo.com)の記述を参考にした。
- 分布・生育地 :
本州(紀伊半島南部) (国外:日本固有) 渓流沿いの混交林下
- 花期 : 6〜10月(もっと遅いものもある?)
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2014年4月16日 和歌山県 中1・全体2 同 上 中2・全体3 2017年1月28日 同 上 (上、中1、中2は拡大写真あり、写真をクリック) 中3・花1(淡紅紫色花) 2014年4月16日 同 上 中4・花2(帯緑色花) 同 上 中5・花3(淡褐色花) 2017年1月28日 同 上 中6・花4(白色花) 同 上 中7・花5(萼筒) 2014年4月16日 同 上 左下・花6(萼筒内部) 2017年1月28日 同 上 右上・葉(無地)、右中・葉2(雲紋)、右下・葉3(卵形) 同 上
- 撮影記 :
ミツバツツジの仲間やヒカゲツツジなどのツツジ類、テンナンショウの仲間などもあり、長い林道歩きも飽くことがなかった。
谷沿いの林下に分け入ると、岩陰や木の根元に小さいカンアオイの葉が点々と見えた。
しかし、花のついている株が見当たらない。斜面をくまなく探し、やっと花をつけている株をいくつか見つけた。
この花ということで教えてもらったが、まだ正式に発表されておらず、したがって学名もつけられていない。
そのため、詳細や特徴ははっきりしないがヒメカンアオイ系の花のようで、全体に小型で紀伊半島に分布するようだ。
花は小さいが花色は変化が多い面白いカンアオイで、同じ色の花は見当たらないほどであった。
撮影は春だったが花は新鮮に感じられた。ただ、参考にした文献によると普通花の咲くのは夏〜秋頃のようだ。
後日、真冬に訪れた時も花は咲いていて、前回とはまた異なった花色の花が見られた。
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