タチネコノメソウ(立猫の目草)

Chysosplenium tosaense


タチネコノメソウ1

  • 科名・属名 : ユキノシタ科 ネコノメソウ属

  • 特徴 :
     草丈5〜10cmの多年草。
     地中に細くて短い走出枝を出す。
     花後、走出枝の基部は膨らみ、葉を出して新株をつくる。
     根出葉はほぼ円形、長さ0.4〜1.7cm、幅0.5〜2.5cm。基部が心形、縁に5〜9個の円い鋸歯があり、ほぼ無毛。根出葉は有柄。茎には葉はないか、1〜2個が互生する。
     花は茎頂に集散花序となり、径約3mmの花を多数つける。下部の苞は根出葉と同形。萼片は花時には緑色で平開し、広卵形で鈍頭、長さ1.5〜2mm。花盤は黄緑色〜淡緑色。雄しべは8個、花時には直立し、萼片より短い。裂開前の葯は黄色。花柱は極めて短く、花時には直立するが、果時には平開する。
     果実(刮ハ)は刺股状、やや扁平で花柱間で裂開する。種子は卵形、長さ0.6〜0.7mm、1稜があり、平滑で微細な乳頭状突起がある。

  • 分布・生育地 :
     本州(関東以西)〜九州 (国外:日本固有)
     谷沿いの水湿地

  • 花期 :   4〜5月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1997年4月13日  徳島県高越山
     中上・全体2 2009年4月5日  兵庫県豊岡市
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花1    同  上
     左下・花2 2023年4月11日  大分県由布市
     右上・根出葉 2023年4月20日  長野県軽井沢
     右下・茎葉    同  上

  • 撮影記 :
     ツルネコノメソウに似ていて、走出枝を地上に出さない点が異なる。
     関東地方から以西の分布となっているもにの、関東ではツルネコノメソウが多く、本種を見たことはない。
     この写真も、徳島県の山の谷沿いで、シロバナネコノメソウの近くで咲いていた。
     その後見た兵庫県の沢では、水の滴る斜面に群生していた。

  • 根出葉

    茎葉

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タチネコノメソウ2

花1

花2