ムジナノカミソリ(狢の剃刀)

Lycoris sanguinea var. koreana


ムジナノカミソリ1

  • 科名・属名
  • : ヒガンバナ科 ヒガンバナ属

  • 特徴

  •  草丈30〜50cmの多年草。
     葉は冬に出て初夏に枯れ、帯状で長さ30〜40cm、幅0.8〜1cm。
     花は葉が枯れる頃花茎を伸ばし、先端に散形状に3〜5花つけ、斜め横を向いて咲く。
    花被片は狭倒披針形で黄赤色、長さ5〜6cm。花筒は短く、花糸と花柱は花被片より短く、雄しべは花被片より少し長く外に出る。

  • 分布・生育地

  •  九州(対馬、宮崎県)  山野

  • 花期
  • : 8月

  • 撮影月日・場所

  •  2012年8月21日 長崎県対馬
     中   同 上
     下・花   同 上

  • 撮影記

  •  一見するとキツネノカミソリオオキツネノカミソリと思うが、朝鮮半島に由来する種で、日本では長崎県対馬(宮崎県にもあると聞く)にのみ知られている。
     花の感じはちょうど中間で、雄しべはオオキツネほど花被片から飛び出さず、またキツネのように花被片と同長でもなく、少し外に飛び出る程度である。
     大きな違いは、この花は葉が冬(12月ごろ)出て越冬するのに対し、前2種は春(3、4月)に葉を出すという違いがある。枯れるのはどちらも6〜7月頃であるが。
     対馬を花期に訪れると、各地の林縁や林下で点々と花が見られるが、前種ほど大きな群落を作ることはないようだ。
     それにしても、よく似ているからといってキツネ(狐)をもじってムジナ(狢)とは、和名の命名者の洒落心に敬意を表したい。

    同じ科の仲間の花
ムジナノカミソリ2

花