エノコログサ(狗尾草(狗の子草))

Setaria viridis var. minor


エノコログサ1

  • 科名・属名 : イネ科 エノコログサ属
     注.APG分類の和名表示は、アワ属(学名変わらず)

  • 特徴 :
     草丈20〜80cmの1年草。
     茎は基部で分枝し、上部は直立する。
     葉は線形で扁平、長さ10〜20cm、幅0.5〜1.8cm。葉舌は発達せず毛の列になり、葉鞘の縁にも毛が1列に生える。
     花序は円柱状で直立か先がやや垂れ、長さ2〜5cm、径約8mm、淡緑色の小穂を多数つける。小枝は刺毛状で多数あって開出し、長さ6〜8mm。小穂は卵形で緑色、長さ2〜2.7mm、基部に長さ5〜12mmの緑色の芒が数個つき、芒は剛毛で上付きにざらつく。第1苞類は短く、第2苞類は小穂とほぼ同長で、第2小花の護頴の背面は露出しない。
     別名 ネコジャラシ
     小穂の基部の剛毛が紫褐色になるものを、
     ●ムラサキエノコロ(f. misera)(右下の写真)という。

  • 分布・生育地 :
     日本全土 (国外:全世界の温帯域に広く分布)
     日当たりのいい道端、畑、荒地

  • 花期 :  8〜11月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2014年9月8日  東京都板橋区
     中上・全体2 2014年9月26日  東京都八王子市
     中中・全体3 2014年10月8日  神奈川県川崎市
     (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花序 2014年9月17日    同  上
     左下・小穂、右上・葉鞘 2020年8月23日    同  上
     右下・ムラサキエノコロ 2016年10月19日  静岡県静岡市

  • 撮影記 :
     夏から秋にかけ、日本全土の道端や荒地で見かけ、都市化された地域でも道路の隙間などに生えている。
     世界的にも温帯域を中心に広く分布しているようで、ワールドワイドな植物だ。
     別名「ネコジャラシ」と言われ、小さいころそれが本当の名前と思っていて、ネコを相手に遊んだ記憶がある。
     よく似た仲間にアキノエノコログサがあるが、エノコログサは検索表では、小穂がやや大きく、第2苞類は小穂より短いなどの相違点が記されている。
     ただ、一般的には草丈がやや低いものが多く、花序の先はがほぼ直立していることで見分けられることが多い。

  • 葉鞘

    ムラサキエノコロ

    同じ科の仲間の花
エノコログサ2

エノコログサ3

花序

小穂