アズマナルコ(東鳴子)

Carex shimidzensis


アズマナルコ

  • 科名・属名 :
     カヤツリグサ科 スゲ属(アゼスゲ節)

  • 特徴 :
     草丈40〜80cmの多年草。
     根茎は短く、叢生する。
     茎は太く、基部の幅は5〜10mm。鞘は葉身がなく、肉桂色で柔らかい。
     葉も柔らかく、幅5〜12mm。
     頂小穂は雄性または上部に雌花部をつけ、長さ4〜10cm。側小穂は雌性、2〜5個つき、帯黄淡緑色で円柱形、長さ3〜12cm、幅4〜5mm、点頭または下垂する。
     雌鱗片は淡緑色で狭卵形〜卵形で鋭頭、果胞とほぼ同長。
     果胞は狭卵形、長さ2.5〜3mm、平滑で脈も毛もなく、上端は短い嘴となり、口部は凹形。
     痩果は卵円形で断面はレンズ形、長さ約1.5mm。

  • 分布・生育地 :
     北海道、本州(主に日本海側)、四国、九州(北部) (国外:鬱陵島)
     山地の湿った斜面

  • 果(花)期 :  5〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     2016年6月8日  徳島県那賀郡
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中、雄・雌小穂、下、雌小穂    同  上

  • 撮影記 :
     四国山地の奥深い所を走る林道、未舗装の道路の法面にはヤブイバラが見られ、他にも色々な樹の花が咲いている。
     小沢から流れ出した道端の湿地に小穂を下げたこのスゲが叢生していた。
     低地の湿地や休耕田に生えるアゼナルコによく似ているが、雌鱗片の先が鋭頭(アゼナルコは凹頭)であること、頂小穂は雄性(上部に雌花部をつけることもある)で雌雄性のアゼナルコと異なる。

  • 同じ科の仲間の花
雄・雌小穂

雌小穂