イトアオスゲ(糸青菅)

Carex puberula


イトアオスゲ1


  • 科名・属名 : カヤツリグサ科 スゲ属(ヌカスゲ節)

  • 特徴 :
     草丈10〜30(〜50)cmの多年草。
     匐枝は出さず、やや緩く叢生する。基部の鞘は褐色でアオスゲより色が薄い。
     葉は直立し、有花茎と同長かやや短く、幅1〜2mm。
     小穂は茎の上部にかたまってつき、雄小穂は線形、時に極めて短く、長さ5〜20mm、幅は広いものでも長さ約1.5mm。雌小穂は2〜3個、最下のものは長さ5〜20mm、花数は少なく多くても10個まで。苞の葉身は花序より短く、最下のものには短いが、明らかな鞘がある。普通、根際に雌小穂はつけないが、稀につける場合もある。
     雌鱗片は淡緑色、芒は短い。果胞は倒卵形、長さ2.5〜3mm、脈は不明瞭で、疎らに毛がある。

  • 分布・生育地 :
     北海道、本州、九州 (国外:朝鮮、ロシア(沿海州?)
     山地の草地(平地では稀)

  • 花期 :  4〜6月

  • 撮影月日・場所 :
    上・全体1 2023年6月24日  長野県小県郡
    中上・全体2、以下全て    同  上
    (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     珍らしいランがあるという花仲間の案内で長野県に出かけた。
     山道際でその花を撮影し、他にも何かないと周辺を探すと、シロバナショウキランや、スゲ類もオオカワズスゲなど多くの種が見つかり大喜びした。
     その中にこのスゲがあり、図鑑で調べ、雌鱗片の芒の短さ、苞の長さなどから本種ではないかと判断した。
     そんなに少ないわけではないが、山地性の種であるためか、これまで出会っていなかった。

  • 基部の鞘

    同じ科の仲間の花
イトアオスゲ2

雄・雌小穂

雌鱗片・果胞

果胞・果実