|
- 科名・属名 : カヤツリグサ科 テンツキ属
注.APG分類では、学名(F. dichotoma var. diphylla)
- 特徴 :
草丈10〜70cmの多年草。
根茎は発達しない。
葉は線形、幅1.5〜5mm。葉の質は革質でテンツキより厚く硬い。普通葉鞘の合わせ目の膜質部分に毛があるが、時に無毛の個体もある。しかしその場合でも、葉鞘の合わせ目の膜質部分の縁には毛がある。
小穂は枝先に複数が密集してつき、花序枝は全て斜上するが、大型の個体では発達するが、小型の個体では短く頭状に密集する。小穂は狭卵形、長さ5〜8mm、幅2.5〜3mm。稜角がなく、赤褐色を帯び、光沢がある。鱗片は卵円形、長さ2〜3mm、無毛で鈍頭、短凸端に終わる。
果実(痩果)は広卵形でレンズ形、長さ0.8〜1.2mm、隆起する格子紋がある。
- 分布・生育地 :
本州(千葉県以南)〜沖縄 (国外:近縁種が多く未解明) 沿海地の湿地
- 果(花)期 : 8〜9月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2017年11月7日 沖縄県名護市 中上・全体2 2015年9月20日 神奈川県三浦半島 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・小穂 同 上 下・小穂2 2017年11月7日 沖縄県名護市
- 撮影記 :
日本のテンツキを細分化すると数種類に分かれるが、本種は暖地の水湿地に生える。
大きさには大きな変化があり、沖縄で見た個体は50cmを越える大きなもので、花序枝が発達していた。
一方、北限に近い三浦半島の海岸の岩場に生えるものは、上の写真のように20cmにも満たない小さなもので、花序枝が発達しないため小穂は枝先に密集してつき、別種と思えるものだった。
ここには、ヤリテンツキやイソヤマテンツキも生えていて、比較しながら撮影できた。
同じ科の仲間の花
|