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- 科名・属名 :
カヤツリグサ科 スゲ属(ヌカスゲ節)
- 特徴 :
草丈15〜30cmの多年草。
根茎は細くて短く斜上気味に伸び、茎を叢生する。
全体に柔らかく、葉は幅2〜3mm。
雄小穂は線形、長さ5〜10mm、ほとんど柄がない。雌小穂は上部のものは接近し、下部のものは離れてつき、長さ5〜10mm。最下の苞は葉身が長く、鞘は長い。
雌鱗片は先が尖り、果胞は長さ2.5〜3mm。中央部に顕著な凹みがあり、短い嘴がある。果胞間は隙間が多い。
果実(痩果)は長さ2〜2.5mm、中央が浅く凹み、柱基が付属体として残る。
- 分布・生育地 :
北海道、本州、九州 (国外:中国) 低山地の湿った草地、落葉広葉樹林下の水際
- 果(花)期 : 4〜5月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2016年4月24日 静岡県浜松市 中上・全体2 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中中・花序、中下・雄雌小穂 同 上 左下・雌小穂 2018年4月30日 千葉県柏市 右上・果胞、雌鱗片、右中・果胞、右下・基部の鞘 同 上
- 撮影記 :
近畿地方を中心に分布するあるグミの北限となっている静岡県の西部に出かけた。
幸先良く花を見つけ撮影し、後はのんびり尾根筋や谷間の植物の観察だ。
4月も末とあって林下にも谷間の湿地にも多くのスゲ類が見られる。
モエギスゲやマツバスゲなどを撮影しながら進むと、落葉樹林下の湿った斜面にこのスゲが点々と生えていた。
特徴は果胞の中央部に凹みがあることで、下の写真でも凹みのあることが何とかわかるだろう。
乾くと全体が黒く変化するようで、標本でもそのことが同定の根拠となるようだ。
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