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- 科名・属名 :
カヤツリグサ科 スゲ属(ビロードスゲ節)
- 特徴 :
草丈60〜100cmの多年草。
根茎は長く匍匐し、基部の鞘は葉身はなく、濃赤紫色で糸網を生じる。
葉は線形で幅1.5〜3mm。溝があり、硬くて濃緑色、果期には花茎より高くなる。
上方の1〜4個の小穂は雄性、長さ2〜5cm、下方の1〜3個の小穂は雌性、長さ2〜4cm、幅約5mm。苞は小穂より長い葉身があり鞘ができない。
雌鱗片は濃褐色で鋭尖頭、果胞とほぼ同長。
果胞は卵形、長さ4〜5mm、革質で木質化し、先は次第に狭まり短い嘴となり、普通は褐色の毛があるが、時にやや無毛。口部は硬化した鋭2歯、柱頭は3岐。
- 分布・生育地 :
北海道〜本州(中部、関東地方以北) (国外:サハリン、千島列島、朝鮮、東シベリア) 高層湿原、湖沼の縁
- 果(花)期 : 5〜8月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2017年4月30日 千葉県香取郡 中上・全体2 2016年5月1日 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・雄、雌小穂 2017年4月30日 同 上 左下・雌小穂 2016年5月1日 同 上 右上・果胞、右下・雌鱗片下 同 上
- 撮影記 :
千葉県北東部のその湿原は、平地にあるにもかかわらずエゾツリスゲなどの北方系のスゲ類も見られる他、多くのスゲ類が見られるので何度か通った。
湿原の中を歩いているとこのスゲが目に入った。やはり北方系のスゲで、普通は高層湿原などに多い。
本種と思って撮影したが、この湿原には本種とオオクグの雑種であるムジナクグがあり、葉の幅が4〜7mmとやや広く、果胞の毛も疎らということで、上の写真は雑種の可能性もありそうな気がする。
現地でしっかり確認することの必要性をつくづく感じた。
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