オタルスゲ(小樽菅)

Carex otaruensis


オタルスゲ1

  • 科名・属名 : スゲ科 スゲ属(アゼスゲ節)

  • 特徴 :
     草丈40〜60cmの多年草。
     根茎は短く、密に叢生する。
     基部の鞘は濃褐色で一部赤色を帯び、糸網がある。花期には前年葉が分解せずに白く残る。
     小穂は4〜6個、頂小穂は雄性、線形で長さ3〜6cm。側小穂は雌性、長さ3〜6cm、幅3〜4mm、長い柄があって下垂する。
     雄鱗片は鈍頭、淡緑色で縁は褐色を帯びる。雌鱗片は狭長楕円形で短い芒があり、果胞より少し短く淡緑色。
     果胞は卵状長楕円形〜卵円形、長さ2.5〜3mm、平滑で淡緑色、やや長い嘴があり、口部は凹形。
     果実(痩果)は倒卵形で断面はレンズ状、長さ1.5〜2mm。柱頭は2岐。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州 (国外:日本固有)
     山地の湿地や谷川沿

  • 果(花)期 :   5〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2016年4月24日  静岡県浜松市
     中・全体2、以下全て    同  上
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     浜松市のやや北部、丘陵地から山地にかかるあたり、谷沿いの点々と湿地が点在していた。
     暖冬の影響で季節が大きく早まっているとはいえ、スゲ類の小穂の果期には少し早く、まだ花の株も多かった。
     何種類かのスゲを撮影している中にこのスゲがあった。
     初めアゼナルコアズマナルコかと思ったが、小穂や鱗片の形などが異なり、同定の結果本種と判断した。

  • 雌小穂

    同じ科の仲間の花
オタルスゲ2

雄・雌小穂1

雄・雌小穂2