タイワンスゲ(台湾菅)

Carex formosensis


タイワンスゲ1

  • 科名・属名 : カヤツリグサ科 スゲ属(ヌカスゲ節)

  • 特徴 :
     草丈30〜60cmの多年草。
     根茎は短くて匐枝はなく、密に叢生し大株を作る。
     葉は線形、幅2〜6mm。基部の鞘は褐色〜暗褐色で少し繊維に分解する。
     頂小穂は雄性、線形で淡緑色、長さ1〜2cm、幅1〜1.5mm、鱗片は辺縁が合着して僧房状になる。側小穂は雌性、上部のものは接近してつき、下部のものはやや離れてつき、細い円柱状で、長さ1〜4cm、幅2〜3mm。柄は短く苞の鞘を出ない。苞は鞘があり、葉身は小穂よりやや長い。
     雄鱗片は淡褐色、先は円頭〜鈍頭。雌鱗片は緑白色、先は鈍頭で短芒端、果胞よりやや短く、長さ2〜3mm。
     果胞は直立し、長卵形〜卵状紡錘形、長さ3〜3.5mm、脈が多く、疎らに短毛があり、嘴の中央部は凹形。果実は長さ2〜2.5mm、鈍い3稜があり、稜上の中央部が深く凹入し、頂部は円柱状で、長さ0.3〜0.5mm、径0.5mm。

  • 分布・生育地 :
     本州(栃木・茨城県)、四国(愛媛・高知県)、九州 (国外:朝鮮(南部)、台湾)
     やや乾いた明るい樹林内、林縁、

  • 花期 :   4〜5月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2022年4月23日  大分県宇佐市
     中1・全体2 2021年5月24日    同  上
     (上、中1は拡大写真あり、写真をクリック)
     中2・花序 2022年4月23日    同  上
     中3・雄雌小穂    同  上
     中4・果胞、雌鱗片 2021年5月24日    同  上
     左下・果胞、果実、右下・茎基部    同  上

  • 撮影記 :
     前年雨の中訪れた時は果期も末期で、小穂も脱落しかけていた。
     翌年、前年より1ヶ月程早い時期に再訪すると、今度は少し早めでまだ花の状態の株も多数見られた。
     大分県宇佐市のこの場所は池も点在し、前年に訪れた時はベンケイヤワラスゲタチスゲなども見られた。

  • 基部の鞘

    同じ科の仲間の花
タイワンスゲ2

花序

雄・雌小穂

果胞(左)・雌鱗片(右)

果胞(左)・果実(右)