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- 科名・属名 : ラン科 アツモリソウ属
注.APGV分類では、学名(C. macranthos)
- 特徴 :
草丈30〜50cmの多年草。
地下茎は短く、横に這い、多くのひげ根を出す。
茎は直立し、葉とともに疎らに毛がある。
葉は3〜4個が互生、葉身は長楕円形、長さ8〜20cm、幅5〜8cm。基部はあまり茎を抱かない。
花は茎頂に1個つき、淡紅色〜紅紫色。背萼片は卵形で鋭頭、長さ4〜5cm、側萼片は卵形で合着し、背萼片よりやや短く、先端がわずかに2裂し鋭頭。側花弁は卵状披針形、鋭尖頭。唇弁は大きな袋状、長さ3〜4cm、幅約2.5cm、内側に斑点模様があり、ここに長毛が散生する。
- 分布・生育地 :
本州(近畿地方以北)〜北海道(南部) (国外:朝鮮、中国、台湾、アジア(北東部)〜ヨーロッパ(東部)) 亜寒帯〜冷温帯の草原や疎林下
- 花期 : 5〜7月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1978年6月11日 山梨県三つ峠 中1・全体2 1984年6月17日 山梨県東山梨郡 中2・全体3 1995年6月11日 山梨県南巨摩郡 (上、中1、中2は拡大写真あり、写真をクリック) 中3・花1 1984年6月17日 山梨県東山梨郡 中4・花2(正面) 1978年6月11日 山梨県三つ峠 左下・花3(側面) 1984年6月17日 同 上 右上・花4(濃色花) 1978年6月11日 同 上 右下・葉 1984年6月17日 同 上
- 撮影記 :
花の写真撮影を始めたばかりの頃、当時バイブルだった富成さんの「春の花」に載っていたこの花に会いたくて山梨県の三ツ峠へ出かけた。
緑一色の草原の中にピンク色のこの花が点々と咲いていて感動した。
しかし、盗掘されることが多く、今はこんな光景を目にすることもできず、自生状態で見ることは稀になってしまった。
よく似た仲間にホテイアツモリソウがある。
和名は、同属のクマガイソウの花を熊谷直実に見立てたのに対し、やや優しい感じのするこの花を平敦盛に例えてつけられている。
2008年現在、これらの写真を撮影した産地でもその数は激減してはいるものの、まだいくらかは花が見られるという話を聞き、嬉しい気持ちになった。
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