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- 科名・属名 : ラン科 クモキリソウ属
- 特徴 :
草丈3〜10cmの多年草。着生。
偽鱗茎は球形、径5〜10mm。
葉は普通2個つき、広卵形で長さ1.5〜5cm、幅1.5〜3.5cm。
花は1,2個から大きい株では20個ほどつき、花被片は淡紅紫色〜紅紫色、長さ6〜8mm。側萼片は横に開出し、唇弁の基部は上に向かって中ほどで下に曲がり、中央に浅い溝があり、濃色になる。蕊柱は長さ約4mm、上部に狭い翼がつく。
クモキリソウに似るが、花茎の高さや葉など全体が小さいこと、側萼片が広くて巻かないこと、側花弁が垂れることが異なる。
スズムシソウにも花の色は似ているが、側萼片が横に開出すること、唇弁が強く反曲すること、蕊柱上部に翼があることが異なる。
- 分布・生育地 :
北海道〜九州 (国外:日本固有) 冷温帯のブナなどの樹幹に着生
- 花期 : 6〜7月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1987年7月22日 静岡県富士山 中上・全体2 2019年7月5日 同 上 中中・全体3(群生) 2020年7月2日 同 上 (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花序 2019年7月5日 同 上 左下・花、右下・葉 同 上
- 撮影記 :
深山の苔むしたブナや古木に着生している。伐採や園芸用の採取のため手の届く範囲に咲いていることはめったにない。
この花も、静岡県の花仲間が冬の間に見つけた株で、駐車場から数分のよくこんなところにと思えるような遊歩道の脇、はしごで届く高さにあった。
時々、花に木漏れ日があたり、原生林の雰囲気とマッチし素晴らしいひと時となった。
その後この場所を訪れる機会があり、記憶をたどりながら探したが、消えたのか盗掘されたのか、いくら探しても見つけることができなかった。
最近、場所によってはまだ多くの株が残っていることを知り訪れると、大木の四方に伸びた太い幹のあちこちにこの花が着生していて、中には十数本の花茎を上げた群生(中中の写真)も見られ、嬉しくなった。
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