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- 科名・属名 : ラン科 キヌラン属
- 特徴 :
草丈10〜20cmの多年草。
茎の基部は地を這い、各節から根を出し、上部は立ち上がる。
葉は茎の下部に4〜5個つき、葉身は卵状楕円形、長さ3〜5cm。先は鋭頭、縁は波打つ。濃緑色でビロード状の光沢があり、両面無毛。葉柄の基部は鞘となり、茎を抱く。
花は茎頂に総状花序となり、紅色がかる黄褐色を花を、疎らに20個程度、横向きで少し傾いてつける。花茎は有毛。萼片は緑褐色、背萼片は卵状披針形、やや赤味が強く、長さ約4mm、側萼片は線状披針形、よく開き、縁が内側に巻く。側花弁は線状倒披針形で、乳白色、背萼片と密着して兜を作る。唇弁は袋状で卵形、背萼片とほぼ同長。基部にかけてやや黄色を帯び、基部の内面に1対のかぎ状突起がある。
- 分布・生育地 :
本州(関東地方以西)〜沖縄 (国外:中国(南部)〜ヒマラヤ、台湾) 暖温帯〜亜熱帯の常緑広葉樹林下
- 花期 : 9〜10月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1988年9月15日 高知県室戸市 中上・全体2 1989年9月24日 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中中・花序 2004年10月10日 東京都伊豆諸島 中下・花 1988年9月15日 高知県室戸市 左下・果実 1995年11月15日 静岡県下田市 右下・葉 同 上
- 撮影記 :
数年前東京都の高尾山で発見されて話題となった。
図鑑では四国以西と書いてある本が多いものの、私は伊豆諸島や静岡県でも見ている(最近の図鑑では関東地方以西に改められている)。
初めての出会いは高知県室戸市で、春先に葉を見つけ、シュスランに良く似ているが少し違うと思い、花の咲くのを期待していた。
秋に花をつけてやっと本種であることわかった。
花は疎らにつき、多くても20個以下と少ないが、下から順々に咲くため、花期は以外に長い。
ヤクシマアカシュスランに良く似ているが、葉に光沢があり、縁は波打ち、花が横向きに咲き、側花弁がより細長いなどの違いがある。
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