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- 科名・属名 : ラン科 ヤチラン属
注.APGV分類では、オキナワヒメラン属(Crepidium)
- 特徴 :
草丈20〜40cmの多年草。
夏緑性で、葉は互生して5〜6個つき、楕円形で長さ6〜14cm。
花は総状花序となり、やや疎らに多数個つく。花は帯紫緑色〜濁紫色で、径約1cm、背萼片と側花弁は反り返るが、側萼片と唇弁は内側に窪む。唇弁は長さ約6mm、先は2裂し、基部は耳状になり蕊柱を包む。
花が淡黄色のものがあり、
●キバナカンダヒメラン(仮称)(学名未定)(左下の写真)とした。
- 分布・生育地 :
沖縄県(沖縄島、石垣島、西表島) (国外:日本固有) 山地の湿った林床や湿地
- 花期 : 7〜9月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2017年9月3日 沖縄県西表島1 中上・全体2 2008年8月23日 同 上2 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中中・花、中下・果実、右下・葉 2017年9月3日 同 上1 左下・キバナ 2022年7月11日 同 上
- 撮影記 :
サバリバナの生える湿地、一歩踏み込むたびに長靴が沈み込み、先行者の歩く振動が伝わってくる。いつハブが出てきてもおかしくない、普通なら決して足を踏み入れることはない場所だ。
こんな所にランが生えるのだろうか、木につかまり慎重に進むと、30cmくらいの花序を伸ばし、小さな紫褐色の花をまばらにつけたランが見つかった。
これが「カンダヒメランか」、沖縄レッドデータに「サガリバナ林などの湿った林床や湿地に生える」とあったがその通りだった。
咲き始めで花は少なかったが、以前やんばるの草地で見た「マツダヒメラン」にそっくりだ。生育環境は異なるが、ひよっとしたら同じ花かもしれない。
その後、西表島の別の場所でも出会ったが、やはり放棄された水田跡の湿地だった。
和名は野生ランの写真家だった「神田 淳」さんにちなんでつけられている。
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