|
- 科名・属名 : ラン科 エビネ属
注.APGV分類では、学名(C. citrina)
- 特徴 :
草丈40〜60cmの多年草。
葉は広楕円形〜倒卵状披針形、長さ30〜60cm、幅5〜15cm。
花は茎頂に総状に10〜15個がやや疎らにつく。花は黄色で、萼片と花弁は平開し、萼片は楕円形〜卵状披針形、長さ2.5〜3.5cm、幅0.8〜1.2cm。側花弁は狭卵形、長さ2〜3cm。唇弁は長さ、2〜2.5cm、唇弁の中裂片は普通尖るが、浅く2裂するものもあり、上面には3〜5条のひだ状の隆起線がある。距は細くて短く、長さ約5mm。
- 分布・生育地 :
本州(静岡県以西)〜九州 (国外:朝鮮(済州島)、中国(湖南省)、台湾) 暖温帯の林下(植林下にも多い)
- 花期 : 4〜5月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2006年5月3日 長崎県対馬 中1・全体2 2003年5月10日 山口県美祢市 中2・全体3(群落1) 2008年5月14日 長崎県対馬 中4・全体4(群落2) 同 上 (上、中1〜4は拡大写真あり、写真をクリック) 中5・花1 2003年5月10日 山口県美祢市 左下・花2 2008年5月2日 長崎県長崎市 右上・葉1 2021年5月4日 宮崎県串間市 右下・葉2 2008年5月2日 長崎県長崎市
- 撮影記 :
エビネに似ているが、より大型で葉も幅広く、花は濃黄色で大きい。
島嶼を除く日本のエビネ類の中ではエビネに次いで比較的多い種類である。
しかし、一度和歌山県で撮影困難な場所で見ただけ。その後は昔あったという話ばかりで撮影の機会がなかった。
ある時知り合った山口の花仲間の案内で現地へ。道路から少し入っただけの林下に見事に咲いていて、林内がそこだけ明るくなっていた。
2006年、対馬でこの花の大群落(中中の写真)に出会った。30〜50本程度の花茎を上げた群落が、狭い谷の植林下に何ヶ所も連なっていた。
全部で1000株もあろうかと思われる群落。日本にもまだこんな群落があったのかと、息を呑む思いだった。
エビネとの交雑が進み、黄色の花は咲かせるものの純粋種が激減していると聞く。
なお、エビネと本種の雑種をタカネといい、花色や花の形に変異が多い。
同じ科の仲間の花
|