ミヤマトキソウ(深山朱鷺草)

Pogonia subalpina


ミヤマトキソウ1


  • 科名・属名 : ラン科 トキソウ属

  • 特徴 :
     草丈9〜16cmの多年草。
     根茎は円柱形で細く、4〜6個ある。
     葉は普通1個、開出または直立し、葉身は披針形〜倒披針形、長さ2.4〜7cm、幅1〜2cm。先は鋭形〜鈍形、基部は茎を抱く。質は厚く、光沢がある。
     花は茎頂に1個、横向きに咲き、淡いピンク色。苞は葉の上部につき、披針形で、長さ11〜40mm、幅2〜9mm。背萼片は線形〜倒披針形で開出し、長さ17〜20mm、幅4〜4.5mm、先は鋭形〜っや鈍形。側萼片は長さ17〜20mm、幅4〜4.5mm、やや不等辺。側花弁は倒披針形で、長さ16〜19mm、幅6〜7mm、先は鈍頭、縁は全縁、花弁の中央に沿って幅の広い紫色を帯びたピンク色の帯びがある。
     唇弁は長さ15〜18mm、やや反り返り、中央より上で3浅裂する。側裂片は歪んだ三角形で直立し、縁は不規則に鋭浅裂する。中裂片は長さ4〜5.6mm、幅2〜3mm、内側に0.8mm以下の毛状突起がある。距はない。蕊柱は根棒状、長さ約11mm、径約2.5mm。
     花の白いものがあり、
     ●シロバナミヤマトキソウ(仮称)(学名未定)(右上の写真)とした。
     2017年、新種として発表されたもので、トキソウヤマトキソウに似るが、
     @唇弁の中裂片上の毛状突起が短い A唇弁の背面が無毛 B花弁中央に沿って紫色を帯びたピンク色の帯がある 点が異なる。

  • 分布・生育地 :
     本州(東北〜中部地方) (国外:日本固有)
    亜高山帯の湿地、湿った草地・崖

  • 花期 :  6〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2017年7月13日  岐阜県大野郡
     中上・全体2    同  上
     中中・全体3 2005年7月9日  長野県八方尾根
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花1 2017年7月13日  岐阜県大野郡
     左下・花2(側面)、以下全て    同  上
     (右上は詳細写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     トキソウヤマトキソウによく似たこの花、何となく感じが違うと思って撮影し、当時からミヤマトキソウ(仮称)と呼ばれていたが、正式な発表は無く仮称のままだった。
     2017年、特徴欄に記したような違いがあるとして新種発表されたので、やっとアップすることができた。
     最初に出会ったのは白馬・八方尾根の湿った草地、低地に多いトキソウがこんな標高の高い場所にも生えるのかと疑問を持ちながら撮影した。
     長いこと疑問のあった花が、新種として発表されるのは嬉しいことだ。
     ただそんな種が他にもあり、早く正式に発表されることを望む。

  • シロバナミヤマトキソウ

    葉

    同じ科の仲間の花
ミヤマトキソウ2

ミヤマトキソウ3

花1

花2(側面)