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- 科名・属名 : ラン科 トキソウ属
- 特徴 :
草丈10〜30cmの多年草。
地下茎は長く横に伸び、所々に不定芽ができる。
茎も基部に膜質の鱗片葉がある。
葉は普通茎の中央に1個つき、葉身は披針形〜線状長楕円形、長さ4〜10cm、幅7〜12mm。基部は翼状になって茎に流れ鞘とならない。
花は茎頂に1個横向きに咲き、淡紅色。苞は葉状、長さ2〜4cm。萼片は長楕円状披針形、長さ1.5〜2.5cm、側萼片は背萼片よりやや幅が狭い。側花弁は狭長楕円形、萼片よりやや短い。唇弁は萼片と同長、3裂し、側裂片は三角形で翼状、中央裂片は倒卵形で大きく、縁と内側に肉質突起が密に生える。距はない。蕊柱は長さ約1cm。
時に白花のものも見られ、
シロバナトキソウ(f. pallescens)(左下の写真)という。
- 分布・生育地 :
北海道〜九州 (国外:朝鮮、中国、極東ロシア) 亜寒帯〜暖温帯の日当たりのよい湿地
- 花期 : 5〜7月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1984年7月15日 群馬県尾瀬ヶ原 中上・全体2 1979年5月13日 千葉県山武郡 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中中・花1 1996年7月6日 福島県南会津郡 中下・花 1984年7月15日 群馬県尾瀬ヶ原 左下・白花 2013年6月2日 佐賀県唐津市 右下・葉 1979年5月13日 千葉県山武郡
- 撮影記 :
低地の湿原から高層湿原まで見られ、夏の尾瀬ヶ原では草の陰でよく見かける。
ニッコウキスゲと違い草丈が小さいことから派手さはないが淡いピンク色はよく目立つ。
尾瀬ヶ原には他にもホソバノキソチドリ、コバノトンボソウ、オオヤマサギソウといった緑色〜白色系の目立たない小型のランが多く、注意して歩くと面白く楽しい。
上の写真の株は白色が強く、本来のトキ(朱鷺)色があまり出ていないが、アップの花では朱鷺色がよくわかる。
和名は、この花の色をトキ(朱鷺)の羽の色に例えてつけられている。
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