リュウキュウカイロラン(琉球かいろ蘭)

Cheirostylis liukiuensis


リュウキュウカイロラン1

  • 科名・属名 : ラン科 カイロラン属

  • 特徴 :
     草丈10〜15cmの多年草。
     茎は匍匐し、先は立ち上がり、上部に白い毛がある。
     葉は根元に5〜7個つき、葉身は長楕円状卵形〜卵形、長さ0.7〜2cm、幅0.5〜1.2cm。先は鋭頭、赤紫色〜紫褐色を帯び、無毛。葉柄は下部が幅広く、茎を抱く。上部の茎には鱗片葉が2〜3個、疎らに圧着する。
     花は茎頂に総状花序となって2〜8個つき、一方向を向いて咲く。苞は披針形、長さ5〜7mm。萼片と花弁は淡赤褐色、萼片は中央まで合着して筒状となり、長さ3〜3.5mm、先端は3裂し、裂片は卵形。側花弁はややさじ形、長さ約3.5mm。唇弁は白色、長さ約5mm、基部は管状で舷部は2裂してY字に分かれ、基部に淡緑色〜燈黄色の斑がある。蕊柱は短い。
     別名 アカバシュスラン

  • 分布・生育地 :
     九州(南部)、屋久島・種子島)〜沖縄 (国外:台湾)
     亜熱帯の常緑樹林下

  • 花期 :   2〜5月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2008年3月1日  沖縄県国頭郡
     中上・全体2 1994年3月19日  鹿児島県奄美大島
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中中・花序    同  上
     中下・花 2008年3月1日  沖縄県国頭郡
     左下・果実 2021年5月6日  宮崎県串間市
     右上・葉1    同  上
     右下・葉2 2009年5月2日  沖縄県国頭郡

  • 撮影記 :
     雨の日は、そうでなくても暗い常緑広葉樹林下は一層暗くなる。そんな中咲いていると言われなければ分からないくらい小さなこの花が咲いていた。
     沖縄やんばるの森では比較的多いと聞いていたが、花も葉も立派な大株にも出会えた。
     右下の写真のように葉が赤紫色を帯びることがあるため、別名アカバシュシュランと呼ばれる。
     本州の山のラン類といえば、必死になって探さなければ出会えないが、南西諸島では林道を歩いていても、当たり前に多くのランに出会える。
     場所によってはカクチョウランツルランなど大型の花が道路際に咲いていることもある。
     特にハブの多い島ではその傾向が顕著だ。ハブに守られやっと自然が維持されているというのは寂しい限りだ。

  • 葉1

    葉2

    同じ科の仲間の花
リュウキュウカイロラン2

花序

花

果実