サカネラン(逆根蘭)

Neottia nidus-avis var. manshurica


サカネラン1

  • 科名・属名 : ラン科 サカネラン属
     注.APG分類では、学名(N. papilligera)

  • 特徴 :
     草丈20〜45cmの腐生ラン。
     根茎は地中に直立し、肉質で平滑、先が上を向く根を多数束生する。
     地上茎は太く多肉質、汚白色で、茎の上部や花柄、子房に淡黄褐色短い腺毛が密生する。
     葉は数個互生し、筒状で茎をやや巻き、膜質の鞘状葉で無毛。
     花は総状花序になり、汚白色の花を多数密につける。苞は三角状披針形で鋭頭、膜質で長さ4〜7mm。萼片と側花弁は倒卵形で鈍頭、長さ5〜6mm、やや背面が膨らむ。唇弁は長さ10〜12mm、基部はやや袋状に膨らんで2裂し、裂片は狭長楕円形で横に広がり、鈍頭。蕊柱は長さ3〜3.5mm。
     果実(刮ハ)は卵形。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜本州(中北部) (国外:朝鮮、中国(東北部)、サハリン、シベリア(東部)
     亜寒帯〜冷温帯の落葉樹林下

  • 花期 :   5〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1985年6月1日  山梨県南都留郡1
     中上・全体2    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中中・花序1 1986年6月1日    同  上
     中下・花序2 2020年6月2日    同  上2
     左下・果実 2020年8月7日    同  上3
     右下・鞘状葉 2020年6月2日    同  上2

  • 撮影記 :
     山梨県の林へスズムシソウを探しに行った際、落葉樹林下に咲いていた。
     その後も何度か訪れたが、前年と全く同じ場所には咲かないようだ。
     変わった和名は、名の通り根の先が上を向くので付けられている。
     北海道や本州(中北部)には、草丈がもっと大きく茎や花柄、子房に毛のないものがあり、エゾサカネランという変種として扱われている。

  • 鞘状葉

    同じ科の仲間の花
サカネラン2

花序1

花序2

果実(刮ハ)