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- 科名・属名 : ラン科 エビネ属
- 特徴 :
草丈50〜70cmの多年草。
球茎は太くて短い。
葉は3〜5個が束生し、線形で長さ40〜50cm、幅3〜6cm。
花は茎頂に総状に多数つき、緑黄色〜淡黄緑色で半開状に咲く。背萼片は卵状長楕円形、側萼片は楕円形、両方とも長さ約9mm、側花弁は線状倒披針形、長さは萼片と同長。唇弁は直立し、黄色で長さ約9mm、3裂し、側裂片は小型、中裂片は倒三角形、中裂片の内面に3個の不規則な条線が発達する。
果実(刮ハ)は紡錘形。
- 分布・生育地 :
九州(南部) (国外:中国(南部)〜ヒマラヤ) 暖温帯の林下
- 花期 : 5月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2021年5月6日 九州(南部) 中上・全体2、以下(右上を除き)全て 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 右上・果実(刮ハ) 2022年5月11日 同 上
- 撮影記 :
最初に発見されたのが鹿児島県の桜島だったのでこの和名がつけられている。
しかし、桜島の自生地は噴火等で消失し、鹿児島の別の地域で見つかったがここでも絶滅したとされ、まず自生を目にすることはできないだろうと思っていた。
数年前、花仲間がこの花の自生があるとの情報を得、何度か探しに出かけた後、今度は見つけられそうとのことで、一緒に探しに出かけた。
しかし、思った場所ではキエビネやタカネは見られたものの、目的のこの花は見つけられなかった。
あきらめかけたが、新しい情報を得て翌日、再度探しに出かけた。
道なき林下を迷わないよう声を出し、探しながら進む、1時間近く探した時、仲間が「あった」との大きな声をあげた。
初めて見たこの花は、思ったより高さがあるがその割りに花は小さく、葉も細くて長いというのが第一印象だった。
また、蕾や開花している花、終わったものが同じ花茎についていて、花は一斉に咲くことはないものの、咲いている期間はかなり短いように感じられた。
周囲を探すと花をつけた株が数株あったが、まとまって生えていることはなく、点在していた。
初めての花との出会いは嬉しかったが、個体数はごく少なく、いつ絶滅してもおかしくないと不安になった。
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