ササバギンラン(笹葉銀蘭)

Cephalantheropsis longibracteata


ササバギンラン1


  • 科名・属名 : ラン科 キンラン属

  • 特徴 :
     草丈30〜50cmの多年草。
     葉は5〜8個つき、葉身は狭楕円形〜卵状披針形、長さ7〜15cm、幅1.5〜3cm。先は鋭尖頭、基部は茎を抱き、裏面や縁に短毛(乳頭状突起)がある。
     花は茎頂に数個が疎らにつき、白色で、わずかに開く。苞は線形、下部の1〜2個は特に長い。萼片は披針形で鋭頭、長さ11〜12mm。側花弁は披針形、長さ約10mm、萼片より幅が広い。唇弁の舷部は3裂し、中央裂片は心形で、内面に淡黄色の隆起線があり、基部は筒状の距となり、短く後方に突出する。蕊柱は唇弁と同長、先端に半球形の葯がある。花茎や子房に短毛(乳頭状突起)がある。  ギンランによく似ているが、全体が大きく、がっしりしていて、葉が長い、距は長くて後方にやや鋭く突き出すなどの点が異なる。
     花が汚黄褐色を帯びるものが八ヶ岳西岳の1200m付近で見つけられ、
    ●ニシダケササバギンラン(f. lurida)という品種とされている。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州 (国外:朝鮮、中国、台湾、ヒマラヤ(東部))
     山地林下

  • 花期 :  5〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1995年5月28日  茨城県筑波山
     中1・全体2 1997年6月8日  山梨県三ツ峠
     (上、中1は拡大写真あり、写真をクリック)
     中2・花序    同  上
     中3・花 2023年6月24日  長野県小県郡
     中4・果実(刮ハ) 2015年5月22日  東京都高尾山
     左下・ニシダケ 2023年6月24日  長野県小県郡
     (左下は詳細写真あり、写真をクリック)
     右上・葉1 1994年5月8日  栃木県真岡市
     右下・葉2 2023年6月24日  長野県小県郡

  • 撮影記 :
     ギンランによく似た花で、より山地に生え、初夏の頃明るい林の下に多い。
     ギンランに比べて草丈は大きくがっしりした感じであるが、花はほとんど開かないことが多い。
     山梨県の三ツ峠に撮影に行った帰り、登山道際に咲いていた花は珍しく花被片が少し開いていた(中2の写真)。
     キンランには花色や花弁の形の変わったものが知られているが、ギンランや本種には変化がないと思っていたが、長野県で花が茶色を帯びたものを見た(左下の写真)。
     初めは末期の花で茶褐色に変色しているかと思ったが、花は新鮮な状態で、調べると八ヶ岳の西岳で見つかったニシダケササバギンランという品種のようだ。

  • 葉1

    葉2

    同じ科の仲間の花
ササバギンラン2

花序

花

果実(刮ハ)

ニシダケササバギンラン