ギンラン(銀蘭)

Cephalanthera erectra


ギンラン1

  • 科名・属名 : ラン科 キンラン属

  • 特徴 :
     草丈10〜30cmの多年草。
     葉は互生、3〜6個つき、葉身は狭長楕円形、長さ3〜8cm、幅1〜3cm。先は鋭頭で基部は茎を抱き、無毛。
     花は茎頂に数個つき、白色。苞は狭三角形、長さ1〜3mm、下の1、2個は長くなる。萼片は披針形、長さ7〜9mm、先がやや尖り、側花弁は広披針形、鈍頭で萼片よりやや短い。唇弁は基部が短い距となり、舷部は3裂し、側裂片は三角形、中裂片は楕円形で中央に5本程度の隆起線がある。
     唇弁が花弁化(ペロリア化)し、距がないものがあり、
     ●ヤビツギンラン(f. pelorica)という品種とされている。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州 (国外:朝鮮、台湾、中国〜ヒマラヤ東部)
     林下

  • 花期 :   4〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2000年5月10日  東京都八王子市
     中上・全体2 2017年5月7日  茨城県那珂市
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中中・花序 2002年4月29日  東京都八王子市
     中下・花 2017年5月7日  茨城県那珂市
     左下・エゾギンラン 1986年6月13日  北海道礼文島
     右上・葉1 2016年5月2日  東京都八王子市
     右下・葉2 2018年4月30日  千葉県柏市

  • 撮影記 :
     キンランと同じような雑木林下で同時期に咲き、花が黄色のキンラン(金蘭)との対比で、白い花をギンラン(銀蘭)と和名がつけられている。
     普通は、花弁がほとんど開かない地味な咲き方であるが、時に謝写真のようによく開くものもある。
     もう少し山に入るとササバギンランというよく似たランがあるが、ササバの方は花の下の苞が長いので見た目で違いがわかる。
     北海道には花がやや開き、唇弁の中裂片が3裂するものがあり(右下の写真)、エゾギンラン(var. elegans)として亜種としている場合や、距がないのでクゲヌマランと書いてある本もある(最新の図鑑ではクゲヌマランとされている)。

  • 葉1

    葉2

    同じ科の仲間の花
ギンラン2

花序

花

エゾギンラン(クゲヌマラン)