ショウキラン(鐘馗蘭)

Yoania japonica


ショウキラン1


  • 科名・属名 : ラン科 ショウキラン属

  • 特徴 :
     草丈10〜25cmの菌従属栄養植物。
     地下茎は疎らに分枝、肥厚し微毛がある。
     地上茎は太く、白色でやや淡紅色を帯び、半円形の鱗片葉をまばらにつける。
     花は茎頂にやや疎らに2〜8個つき、淡紅紫色。花柄は直立し、長さ約6cm。苞は卵形で開出してやや円頭、長さ6〜8mm。萼片は広楕円形で鈍頭、長さ約2cm、幅約1cm。側花弁は萼片よりやや短く、前に突き出す。唇弁は萼片と同長、舷部はやや台形、中央に幅広い細突起がある条があり、全体に白っぽいがここに紫色の斑点がある。距は長楕円形で前方に出っ張り、淡黄色、長さ約12mm、開口部に黄色の長毛がある。蕊柱は腹面が凹入した半円柱状、長さ約12mm、先端は約を挟んで1対の角状突起がある。
     花色の白いものがあり、
     ●シロバナショキラン(仮称)(左下の写真)といい、
     同じく花色の淡黄色のものを、
     ●タテシナショウキラン(f. lutea)(右下の写真)という。

  • 分布・生育地 :
     北海道(南部)〜九州(屋久島まで) (国外:中国(南部)、台湾、アッサム)
     冷温帯の樹林下や笹の間

  • 花期 :  6〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1993年6月27日  長野県小県郡
     中上・全体2 2014年6月25日  長野県茅野市
     中中・全体3 2023年6月24日  長野県小県郡
     (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花 2014年6月25日  長野県茅野市
     左下・シロバナ 1993年6月27日  長野県小県郡
     右上・鱗片葉 2023年6月24日    同  上
     右下・タテシナ 2014年6月25日  長野県茅野市

  • 撮影記 :
     菌従属栄養植物の美しい花であるが、葉がないため花の時期にしか気がつくことなく、またどこにでもある花ではない。
     最初の出会いもコウシンソウを狙って出かけた山で、登山道脇の笹の根元で咲いているのを見つけた。
     他の草の少ない暗い林下では、ハッとするほど美しく、感激して撮影した。
     その後、何度か偶然の出会いはあったが、上の写真は長野県のあるスキー場の草原に咲いていたものである。
     近くにはシロバナショウキラン(左下の写真)も咲いており、こちらの花も劣らず美しかった。

  • 鱗片葉

    タテシナショウキラン

    同じ科の仲間の花
ショウキラン2

ショウキラン3

花

シロバナショウキラン