イナヒロハテンナンショウ(伊那広葉天南星)

Arisaema amurense var. inaense


イナヒロハテンナンショウ1

  • 科名・属名

  •  サトイモ科 テンナンショウ属

  • 特徴

  •  草丈15〜30cmの多年草。
     ヒロハテンナンショウの変種で、5〜7個からなる小葉は全縁でよく似ている。
     花茎は短く、仏炎苞の筒部は短く、口辺部は広く開出し、紫色で多数の白色隆起状が目立つなどの違いがある。
     付属体も、太く短い円柱形で、先端は棒状になる点も違いとされている。

  • 分布・生育地

  •  本州(長野、岐阜県) 山地の林下

  • 花期
  • : 5〜6月

  • 撮影月日・場所

  •  2004年5月8日 長野県
     中、下  同 上

  • 撮影記

  •  テンナンショウ属は、蛇を思わせるような茎の模様や、鎌首を持ち上げたような仏炎苞の姿から、好かれる花とは言いがたい。
     しかし、ユキモチソウを筆頭に、鑑賞に堪える仲間も何種類かあり、この花もその一つではないかと思う。
     20cmにも満たない草丈にもかかわらず、びっくりするほど大きな花を咲かせる。新緑のカーテン越しに注ぐ柔らかな光に包まれ、問いかけるかのように上を向く姿は、可愛いいとしか言い表しようがない。
     中部地方の一部に稀産するこの花、花仲間に教えられた。
     こんな素晴らしい花、人知れず咲いているのが一番と思ったが、その可愛さゆえあえて紹介した。いつまでも、変わらず咲き続けられることを祈りながら。

    花アップ

    同じ科の仲間の花
イナヒロハテンナンショウ2

イナヒロハテンナンショウ3