ナベクラザゼンソウ(鍋倉座禅草)

Symplocarpus nabekuraensis


ナベクラザゼンソウ1

  • 科名・属名
  • : サトイモ科 ザゼンソウ属

  • 特徴

  •  草丈20〜50cmの多年草。
     葉は腎円形で、普通長さより幅のほうが広い。
     花は葉の展開と同時に咲き、仏炎苞は暗紫色で小型、長さ5〜8cm程度。
     花は葉の展開後成熟する。
     2001年、新種として記載された新しい仲間で、ザゼンソウヒメザゼンソウによく似ているが、ザゼンソウは葉の展開に先立って花が咲き、ヒメザゼンソウは葉の展開後花を咲かせるのに対し、花と葉が同時であることが異なる。花の成熟も2種とは異なっている。
     遺伝的にはヒメザゼンソウよりザゼンソウに近いようである。

  • 分布・生育地

  •  本州(岩手〜福井県) 多雪地帯の水湿地

  • 花期
  • : 6月

  • 撮影月日・場所

  •  2003年6月29日 長野県飯山市
     中 2005年6月5日  同 上
     下 2003年6月29日  同 上

  • 撮影記

  •  ザゼンソウの新種としてこの花のことが新聞記事になったのは、数年前のことだった。
     長野県の鍋倉山というところで見つけられたこの花、当時の新聞には、ザゼンソウの葉が花後に展開するのに対し、花と葉が同時に展開するということが違いとされていた。さらに、「ヒメザゼンソウと混同されていることが多いと考えられ、調査が進めば新しい産地が増えてくるだろう」と書かれていたが、その後産地が沢山見つかったという話は聞かない。
     この花のことをよく知る花仲間の案内で自生地に出かけた。花期的には遅くほとんど終わっていたが、どこかにあるだろうと北向きの谷を下ると、ほんの数株咲き残っていた。
     翌年再度訪れると、今度は残雪が多すぎて全てが雪の下。やっと見つけ出した花は、咲き始めのせいかひどく小さく感じられた。

    同じ科の仲間の花
ナベクラザゼンソウ2

花アップ