ヤマグチテンナンショウ(山口天南星)Arisaema suwoense |
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草丈50〜70cmの多年草。 雌雄偽異株で、雄株から雌株に転換する。 葉は普通1、時に2個、小葉は7(〜8)個、鳥足状につき、楕円形で、頂小葉が最も大きく、長さ約12cm、幅約5cm程度。先はやや鋭尖頭で、全縁。葉軸の先が上方に巻き上がる傾向がある。 花は葉に遅れて開き、花序柄は葉柄よりはるかに短く、仏炎苞の筒部は太い筒状で淡色、長さは舷部の1/3程度、口辺部はやや広く開出し、時に耳状となる。舷部は黒褐色〜紫褐色、時に緑色、白条があり、卵形から長卵形で前に曲がり、先は次第に細まって垂れ下がる。付属体は太棒状〜根棒状で紫褐色の斑があるか、しばしば白緑色となる。 本州(伊豆半島、山口県) やや湿った草原 2014年5月23日 静岡県伊豆半島 以下全て 同 上 テンナンショウはいろいろな考え方があってどう分類するのか悩んでいたが、平成23年、東京大学の邑田仁教授が「日本のテンナンショウ」(北隆館)で研究成果を出版された。 その本ではこれまであまり詳しく整理されていなかった種が、丁寧に説明されていた。 その中に、伊豆半島にあり「オオマムシグサ」に似て、これまで「イズテンナンショウ」と称されていた花が、この花だと紹介されていた。 是非見てみたいものだといろいろな情報を元に現地を訪れた。探すと林縁や草地で点々と咲いているこの花が見つかった。 仏炎苞が大きくて前に垂れ、この花のことを知らなければオオマムシグサと間違えそうだ。 ただ、左の写真のように、仏炎苞の色は黒褐色〜緑色まで花ごとに少しずつ異なり、ホソバテンナンショウとの交雑が起きているとの説明が納得できるものだった。 同じ科の仲間の花 |
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