ヤマコンニャク(山蒟蒻)

Amorphophallus hirtus var. kiusianus


ヤマコンニャク1

  • 科名・属名
  • : サトイモ科 コンンニャク属

  • 特徴

  •  花茎の高さ約1mの多年草。
     球茎は大きく扁球形で、子球がある。
     葉は1個で花後に開き、葉身は3裂しさらに羽状に2裂する。
     花は花茎の先に1個つき、仏炎苞はラッパ形で、長さ約20cm。基部は暗緑色で、内側は汚紫色を帯び、両面に白斑がある。花には悪臭がある。

  • 分布・生育地

  •  四国(高知県)、九州南部〜沖縄
     低地のやや湿った常緑林下

  • 花期
  • : 5〜6月

  • 撮影月日・場所

  •  2005年5月1日 鹿児島県奄美大島
     上は拡大写真あり(写真をクリック)
     中 2005年5月3日  同 上
     下 2005年5月1日  同 上

  • 撮影記

  •  栽培種のコンニャクによく似た自生種のあることを知り、初夏の奄美大島へ出かけた。
     色々な情報を総合すると、ヤマとは名づけられているものの、奄美では山中でなく海岸近くにあるらしい。花仲間と2人ソテツの混じる海岸端の急傾斜地をしらみつぶしに探した。
     ツルモウリンカコゴメマンネングサなどの海岸植物は見つかったものの、本命のこの花は見つからない。
     最後に期待をかけた海岸、崖上の斜面で1本だけ花が見つかった。1花というより1本と表現するほうがピッタリする1mを超える肉穂、グロテスクな姿はお世辞にも美しいとは言いがたい。そんな花に大の大人が狂喜している姿は、興味のない人から見れば理解できないだろう。
     翌日見つけた株も、ザラザラと崩れ落ちている海岸の崖の途中にあった。南方系の植物にもかかわらず、栽培種のコンニャクは30度を越える真夏の暑さに弱いらしい。この花も日当たりが良くて涼しい海岸を適地として選んだのだろうか。
     ただ、球茎は食用にはならないそうだ。

    同じ科の仲間の花
ヤマコンニャク2

花アップ