ヒロハノトウゲシバ(広葉の峠芝)

Huperzia serrata var. intermedium


ヒロハノトウゲシバ

  • 科名・属名 : ヒカゲノカズラ科 コスギラン属

  • 特徴 :
     草丈7〜20cmの常緑性シダ。
     茎は基部が地表近くを短く斜上し、まばらに二叉分枝し、直立する。
     栄養葉と胞子葉があるが、ほぼ同形。
     葉は倒披針形〜長楕円形、長さ15〜20mm、幅は最も広い中央部付近で2〜3mm。先は鋭頭〜鋭尖頭、基部は次第に狭くなって葉柄ははっきりせず、縁は全縁か細鋸歯縁。質は硬い紙質、緑色で無毛。
     胞子嚢穂は作らず、胞子嚢は葉腋に単生し、腎臓形、黄白色で無柄。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜沖縄 (国外:アジアの温帯域)
     山地林下

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2007年4月8日  千葉県清澄山
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     下・胞子嚢    同  上

  • 撮影記 :
     広義の捉え方ではトウゲシバ(var. serrata)とされるが、狭義では葉の細いものを本種、それより葉の幅の広いものをヒロハノトウゲシバ、長くて幅広く、本州南部〜沖縄にかけて分布するものをオニトウゲシバ、の3つに分け変種としている。
     ここでは狭義の分類の考え方に依ったが、葉の大きさや形などの違いは連続的で区別が難しく、同一種の個体差の範囲とするのが妥当なのかも知れない。
     この写真はシダの撮影を始めたばかりの頃、千葉県の清澄山の林下で撮影した。
     この山域はヤマビルが多いことで知られているが、4月初めならまだ大丈夫だろうと思って油断していた。
     しかし、撮影を終え舗装道路まで戻って靴を見ると数匹が動き回っていて、すぐに靴を脱いで確かめたが、幸いなことに血は吸われていなかった。

  • その他のシダ
胞子嚢