ホソバトウゲシバ(細葉峠芝)

Huperzia serrata var. serrata


ホソバトウゲシバ1

  • 科名・属名 : ヒカゲノカズラ科 コスギラン属

  • 特徴 :
     草丈7〜20cmの常緑性シダ。
     茎は基部が地表近くを短く斜上し、まばらに二叉分枝し、直立する。
     栄養葉と胞子葉があるが、ほぼ同形。
     葉は狭披針形〜倒披針形、長さ8〜15mm、幅は最も広い部分でも2mm以下。先は鋭頭〜鋭尖頭、基部は次第に狭くなって葉柄はなく、縁は不規則な鋸歯縁。質は硬い紙質、緑色で無毛。
     胞子嚢穂は作らず、胞子嚢は葉腋に単生し、腎臓形、黄白色で無柄。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州(屋久島まで) (国外:アジアの温帯域)
     山地林下

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2016年5月16日  岡山県英田郡
     中・全体2 2019年8月22日  北海道石狩郡
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)
     左下・胞子嚢1 2009年8月29日  福島県耶麻郡
     右下・胞子嚢2 2013年4月23日  長野県南木曽郡

  • 撮影記 :
     広義の捉え方ではトウゲシバ(var. serrata)とされるが、狭義では葉の細いものを本種、それより葉の幅の広いものをヒロハノトウゲシバ、長くて幅広く、本州南部〜沖縄にかけて分布するものをオニトウゲシバ、の3つに分け変種としている。
     ここでは狭義の分類の考え方に依ったが、葉の大きさや形などの違いは連続的で区別が難しく、同一種の個体差の範囲とするのが妥当なのかも知れない。
     山地の峠の林下のような場所に生え、芝のような形という和名の由来通りのような場所でよく見られ、群生していることが多い。



  • その他のシダ
ホソバトウゲシバ2

胞子嚢1