ホソバイヌワラビ(細葉犬蕨)

Athyrium iseanum var. iseanum



  • 科名・属名 : イワデンダ科 メシダ属

  • 特徴 :
     草丈50〜90cmの夏緑性シダ。
     根茎は塊状で直立または斜上し、葉を叢生する。
     葉はやや2形で栄養葉は葉柄が短い。
     葉身は3回羽状深裂〜全裂、卵形〜長楕円形、長さ(26-)34〜44(-52)cm、幅(-13)17〜22(-26)cm。羽片は卵状披針形〜長楕円状披針形、第一小羽片はほぼ対生し、長さ(4.9-)7.3〜11(-15)cm、幅(2-)2.7〜3.8(-4.7)cm。小羽片は長楕円状広披針形〜狭卵形、先端は鋸歯で終わり、縁は鋸歯縁〜全縁、基部前側に耳が出る。質は柔らかい草質、葉身の上部に無性芽をつける。葉柄は淡緑色〜淡紫色、長さ(18-)25〜33(-38)cm。基部の鱗片は披針形〜狭披針形、淡褐色〜褐色で長さ(4.1)5.6〜7.7(-10)mm。
     胞子嚢群は裂片のやや中肋寄りにつき、長楕円形〜鉤形、長さ1.4〜1.7mm。包膜は長楕円形〜鉤形、ほぼ全縁〜不規則な突起縁。

  • 分布・生育地 :
     本州〜九州(屋久島まで) (国外:朝鮮、中国、台湾)
     やや湿った林下

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2015年7月5日  広島県広島市
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中・葉表、下・胞子嚢群    同  上

  • 撮影記 :
     広い谷筋、杉の植林地の下はシダの宝庫だった。
     オオクジャクシダやキヨスミオオクジャク、オオバノハチジョウシダなど多くの種類のシダが見られた。
     林下のシダを撮り終えて林道に戻ると道端にこのシダが生えていた。
     分布はあるとはいえ関東ではあまり見かけないシダだったので喜んでカメラを向けると、地元の花仲間から「こんなのは普通種だ」と言われた。
     地元では普通種でも他所から来た人には珍しいという植物は一杯あり、その意味でも分布について覚えておく必要がある。

  • その他のシダ
葉表

胞子嚢群