オニヒカゲワラビ(鬼日陰蕨)

Diplazium nipponicum


オニヒカゲワラビ1

  • 科名・属名 : イワデンダ科 ノコギリシダ属

  • 特徴 :
     草丈70〜150cmの常緑性(北方では夏緑性)シダ。
     根茎は横走して太く、葉を込み合ってつける。
     葉身は広卵状三角形、2回羽状複生〜3回羽状深裂し、長さ幅とも40〜70cm。下部の羽片は柄があり、小羽片は狭長楕円形、羽状深裂し鋭尖頭、基部は切形で短い柄がある。裂片は長楕円形、円頭〜鈍頭で鋸歯縁。質は草質で中軸や羽軸、小羽軸の裏面に小さな鱗片と毛がある。葉柄は長さ30〜60cm、緑色〜わら色、基部は汚褐色、狭披針形で黒褐色〜茶褐色で宿存性の鱗片がやや密につき、辺縁に突起がある。
     胞子嚢群は線形で小羽片の中肋寄りにつき、包膜は薄い膜質、辺縁は細かく裂ける。

  • 分布・生育地 :
     本州〜九州 (国外:中国)
     山地のやや陰湿な林下

  • 撮影月日・場所 :
     2013年3月23日  徳島県阿南市
     中以下全て    同  上
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     3月の四国、目的のシコクフクジュソウを撮影し終えるとこの時期咲いている花は少ない。
     常緑のシダでも見ようと、色々な谷筋や湿った植林下を探す。冬とはいえ急な斜面を上り下りすると汗がにじむ。
     地元の方がこの辺で見かけたという林下を探すと、コクモウクジャクとともにこのシダが茂っていた。
     コクモウクジャクに比べると一回り以上大きく、冬枯れの林下では存在感があった。
     この仲間は似たものが多く同定に苦労するが、葉柄下部の鱗片は宿存性で狭披針形、辺縁に突起があることや、包膜の辺縁が不規則に裂けるのが違いと検索表には記されている。

  • 葉柄基部鱗片

    その他のシダ
オニヒカゲワラビ2

胞子嚢群