ハイホラゴケ(這洞苔)

Vandenboschia kalamocarpa


ハイホラゴケ

  • 科名・属名 : コケシノブ科 ハイホラゴケ属

  • 特徴 :
     草丈10〜25cmの常緑性シダ。
     根茎は長く這い、不規則に分枝し、黒褐色の毛が密にあり、1〜5cm間隔で葉をつける。
     葉は2回羽状深裂〜3回羽状深裂、葉身は狭卵形〜卵状披針形、長さ(6.3-)7.6〜12(-17)cm、幅(1.4-)1.9〜3.8(-6.7)cm、鋭頭〜鋭尖頭、基部は円形。側羽片は広卵形〜卵形、最下羽片で長さ(0.8-)1〜2.2(-3.7)cm、幅(0.5-)0.8〜1.4(-2.2)cm。小羽片は下から2番目の羽片の上側第2小羽片で、長さ(0.3-)0.5〜0.8(-1.1)cm、幅(0.1-)0.2〜0.3(-0.5)cm。最終裂片は鈍頭〜鋭頭で全縁。濃黄緑色で細胞壁は薄い。
     葉柄は緑色、長さ(1.3-)3.2〜6.3(-9.2)cm。基部近くまで幅0.5〜0.7mmの広い翼があり、波打つ。葉軸、羽軸にも同程度の広く波打つ翼がある。
     胞子嚢群は裂片の先端につき、狭倒三角形、包膜はコップ状で唇部は全縁、ほぼ切形。胞子嚢床は長く伸びる。

  • 分布・生育地 :
     本州(伊豆諸島、伊豆半島以西)〜沖縄(沖縄島以北)、小笠原諸島(父島) (国外:中国、台湾)
     川沿いの陰湿な林下の岩上、砂上

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2018年1月15日  沖縄県国頭郡
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中・胞子嚢群、以下全て    同  上

  • 撮影記 :
     沖縄島北部、やや深い谷間は昼でも薄暗く、冬でも汗ばむほど湿度も高かった。
     冬以外の時期ではハブが出そうでとても入る気はしないが、この時期ならまず出合うことはないと、台風の影響で倒木の多い沢を進む。
     沖縄の花仲間が案内してくれた沢沿いの崖地には、オオハイホラゴケリュウキュウホラゴケ、それにその雑種が入り混じって生えていた。
     その場ではしっかり覚えたと思っていたが、家に帰って整理するとどれがどれかわからなくなり、同定に苦労した。
     本種はオオハイホラゴケに比べやや根茎が細く、葉柄の翼も広くてやや強く波打つことなどが相違点とされる。

  • 葉柄(翼)

    その他のシダ
胞子嚢群

中軸・葉表