キヨズミオオクジャク(清澄大孔雀)

Dryopteris namegatae


キヨズミオオクジャク

  • 科名・属名 : オシダ科 オシダ属

  • 特徴 :
     草丈60〜90cmの常緑性シダ。
     根茎は太くて短く、直立し、葉を叢生する。
     葉は1回羽状複生、葉身は長楕円状披針形、長さ(39-)52〜61(-65)cm、幅(17-)21〜25(-31)cm、中央部で最大幅となり、下部羽片は少し短くなるが、極端には短くはならない。側羽片は(27-)31〜34(-37)対つき、長楕円状狭披針形、長さ(6.5-)7.5〜9.0(-11)cm、幅(1.1-)1.2〜1.5(-1.8)cm。質は紙質、黄緑色、葉脈は上面でやや窪み、辺縁は鋸歯縁。
     葉柄は淡緑色、長さ(17-)21〜26(-28)cm。鱗片は下部では密に、それより上部では疎らにつき、披針形〜狭披針形でほぼ全縁、黒褐色(稀に褐色)、長さ(11-)13〜16(-19)mm。中軸の鱗片は背軸側で密につき、狭披針形〜線状披針形で黒褐色。
     胞子嚢群は羽片の辺縁と中肋の中間からやや羽軸寄りに1〜数列に並び、円形で径(0.8-)0.9〜1.1(-1.3)mm、包膜は円腎形でほぼ全縁。

  • 分布・生育地 :
     本州(関東地方以西)、四国、九州 (国外:朝鮮(済州島)、中国(南部)、台湾、インド
     山地の林下

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2015年7月5日  広島県広島市
     中上・全体2、以下全て    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     広島市の東部、山中の沢沿いのスギ林の下は初めて出会うシダばかりだった。
     平坦な植林地の林下は湿り気が多く、シダ類の宝庫でこの仲間のオオクジャクや雑種のハコネオオクジャクも点々と生え、初心者にはその違いをチェックすることができ勉強になった。
     和名の由来が千葉県の清澄山にあるように、もともとは関東地方で見つけられたようであるが、そう多い種ではないらしく、関東地方ではまだ出会っていない。
     よく似たイワヘゴとは下部の羽片が多少短くなることや、葉脈が窪むことで区別され、オオクジャクとは胞子嚢群が辺縁に寄らないことや基部鱗片が黒褐色であることなどで区別される。

  • 基部鱗片

    その他のシダ
キヨズミオオクジャク2

胞子嚢群

葉表