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- 科名・属名 : オシダ科 カナワラビ属
- 特徴 :
草丈50〜80cmの常緑性シダ。
オオカナワラビとコバノカナワラビとの推定雑種。
根茎は短く匍匐し、鱗片をつける。
葉は2回羽状複生、葉身は卵状楕円形で先は急に短くなり、頂羽片状になる。最下羽片の後側小羽片は著しく伸び、次の小羽片も長くなる。質は柔らかい紙質で、光沢のある鮮緑色〜濃緑色。
葉柄は淡緑色で基部寄りは淡褐色、鱗片は基部にやや密につき、長楕円状披針形で淡褐色〜褐色。
胞子嚢群は小羽片のやや辺縁寄りにつき、円形。
- 分布・生育地 :
本州(神奈川県以西)〜九州 (国外:日本固有) 低山地の陰湿な林下、沢沿い。
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2010年5月4日 静岡県浜松市 中上・全体2 2018年6月16日 長崎県平戸市 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・最下羽片 2014年5月4日 同 上 左下・胞子嚢群 2010年5月4日 静岡県浜松市 右下・葉柄鱗片 2018年6月16日 長崎県平戸市
- 撮影記 :
このシダに初めて出会ったのは、本種の基準産地のすぐ近く、静岡県西部の天竜川の支流沿いの林縁だった。
シダに詳しい仲間からオオカナワラビとコバノカナワラビとの雑種と教えてもらってわかったが、教えてもらわなければ判断できなかっただろう。
その後、長崎でも教えてもらって撮影したが、今でも雑種はよくわからない。
全体にオオカナワラビに似るが、オオカナワラビより羽片の数が多い、葉軸(中軸)に角度を持ってつく等の違いがあるようだ。
オシダ科はカナワラビやイノデの仲間など雑種が多いが、これらが自分で同定できるように早くなりたいものだ。
ちなみに学名のkurosawaeはこのシダの発見者の黒沢良房氏にちなんだもので、母校の高校の生物教師であった。当時は昆虫少年で、その時代から植物に興味を持っていればと残念でならない。
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