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- 科名・属名 :
チャセンシダ科 チャセンシダ属
- 特徴 :
草丈10〜20cmの常緑性シダ。
根茎は短く斜上〜直立し、鱗片をつける。
葉はやや2形(栄養葉は胞子葉より丈が低い)で1回羽状全裂、葉身は披針形、長さ(3.2-)5.7〜9.8(-15)cm、幅(0.8-)1〜1.9(-3.1)cm。側羽片は長楕円状披針形、長さ(0.3-)0.4〜1(-1.9)cm、幅(0.3-)0.4〜0.5(-0.7)cm。裂片の先は円頭〜鋭頭、縁は波状縁。質は厚い革質で濃黄緑色、疎らに多細胞毛がある。
葉柄は緑色〜褐色、長さ(1.2-)2.6〜5.3(-8.2)cm。葉柄最基部のみ披針形で褐色〜黒褐色の鱗片がある。毛は褐色の多細胞毛がまばらにある。中軸は緑色でやや褐色を帯びることがあり、上部羽片から流れる翼がある。
胞子嚢群は羽片の中肋寄りにつき、線状〜長楕円形、長さ(1.1-)1.4〜1.8(-2)mm。
トラノオシダとクモノスシダの雑種とされているが、「日本産シダ植物標準図鑑T」(学研刊)では、日本産の個体はいずれも正常胞子を作ることから、種として扱うことが適当と記されている。
- 分布・生育地 :
北海道(後志)、本州(関東地方以西)、九州(宮崎県) (国外:朝鮮、中国) 岩上
- 撮影月日・場所 :
上・全体 2007年7月22日 長野県佐久市 (上は拡大写真あり、写真をクリック) 下・胞子嚢群 同 上
- 撮影記 :
花仲間が案内してくれた長野県のある場所、岩上に小さなシダが葉を伸ばしていた。
トラノオシダとクモノスシダの雑種でかなり珍しいと言われ、シダを始めたばかりだったので喜んで撮影した。
トラノオシダは広く分布するが、クモノスシダが石灰岩地にありやや少ない種であることからなかなか雑種ができにくいのだろう。
ここ以外では広島県でも見たことがあるだけだ。
雑種といわれているが、特徴欄にも記したように、最新の「日本産シダ植物標準図鑑T」(学研刊)では種のレベルとしており、ここではその見解に従った。
その他のシダ
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