kikumo

キクモ（菊藻）

Limnophila sessiliflora

キクモ１

科名・属名　：　ゴマノハグサ科　シソクサ属
　注.ＡＰＧ分類ではオオバコ科(PLANTAGINACEAE)

特徴　：
　草丈２０～６０ｃｍの多年草。
　地下茎は泥の中を這い、茎の上部が立ち上がって水上に出る。茎にはやや密に軟毛が生える。
　葉は４～８個輪生し、細かく裂けた葉をつける。水上葉（抽水葉）は水中葉より裂片の幅が広い。
　花は水上葉の葉腋に１花つけ、花冠は紅紫色で長さ約９ｍｍ、筒形で先は唇形、上唇は幅が広くて先がややへこみ、下唇は３深裂し、花冠内部の上側に軟毛がある。花には柄がない。萼は筒形で深く５裂し、小苞がないかあっても小さい。
　果実（蒴果）は卵円形でほぼ同じ長さの萼に包まれる。

分布・生育地　：
　本州（宮城以南）～沖縄　（国外：朝鮮、中国、東南アジア、オーストラリア、インド）
　水田や浅い沼の水中

花期　：　　８～９月

撮影月日・場所　：
　上・全体１　2005年9月19日　　栃木県今市市
　中上・全体２　　　　同　　上
　(上、中上は拡大写真あり、写真をクリック）
　中中・花　1993年9月15日　　千葉県市原市
　中下・花冠(内部)　2018年9月9日　　栃木県渡良瀬遊水地
　左下・花柄　　　　同　　上
　右上・葉　2014年9月19日　　東京都武蔵村山市
　右下・茎　2018年9月9日　　栃木県渡良瀬遊水地

撮影記　：
　房総の山間にあるその谷にはダイサギソウがあると聞いて何度か通った。
　しかし、休耕田となった谷あいの田は、１年もしないうちに葦や雑木が進出し、とても奥まで入れる雰囲気はなかった。
　目的の花は見られなかったものの、この花やタコノアシなど水生植物が豊富でそれなりに楽しめた。

　2005年、栃木県の休耕田で出会った群落は、これまでにない規模のうえ水のない状態、撮影しやすくて十分堪能した。
　和名はこの葉が菊の葉に似ていることからキクモ（菊藻）と付けられている。
　よく似たコキクモがあるが、この花の水上葉の茎にはやや密に軟毛が生えることや（右下の写真）、花柄がないこと（左下の写真）が異なる。

同じ科の仲間の花

キクモ２

花冠(内側)