ハマウツボ(浜靫)

Orobanche coerulescens


ハマウツボ1

  • 科名・属名 : ハマウツボ科 ハマウツボ属

  • 特徴 :
     草丈10〜25cmの1年草。寄生
     茎は黄褐色で太く、まばらに白色の軟毛が生える。
     鱗片状に退化した葉は、披針形〜狭卵形で先が膜質となり、長さ7〜15mm。黄褐色で白い軟毛がまばらに生える。
     花は茎の上部に穂状に多数つき、花冠は淡紫色で長さ約2cm、太い筒部のある2唇形で上唇は浅く2裂、下唇は3裂して縁は波打つ。花軸、苞、萼、花冠には白い軟毛が密に生える。苞は披針形〜三角状卵形で先が尖り、長さ7〜15mm。萼は長さ約1cm、各片は2裂し、先が尖る。
     果実(刮ハ)は狭楕円形で長さ約1cm。
     ヨモギ属、特に本州ではカワラヨモギに、北海道ではハマオトコヨモギによく寄生する。
     この花によく似ていて、海岸ではなく丘陵地の草地に生えるオカウツボ(f. nipponica)という品種があり、全体に毛が少ないとされる。

  • 分布・生育地 :
     日本全土 (国外:朝鮮、中国、台湾、シベリア、ヨーロッパ(東部)
     海岸や河原の砂地

  • 花期 :  5〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1998年6月28日  青森県八戸市
     中上・全体2 2014年6月2日  佐賀県唐津市
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花序 1998年6月28日  青森県八戸市
     下・花 2014年7月8日  北海道北見市

  • 撮影記 :
     一度礼文島で枯れた株を見かけたものの、その後出会えずにいた。
     東北の海岸植物の撮影に八戸市に出かけた際、思いもかけずこの花が咲いていた。
     薄紫色の花はすぐに色あせてしまうが、ちょうど美しい時期に出会えた。
     カワラヨモギに寄生することが多いが、ここではハマオトコヨモギに寄生しているようだった。

  • 同じ科の仲間の花
ハマウツボ2

花序

花