ミヤマオトコヨモギ(深山男蓬)

Artemisia pedunculosa


ミヤマオトコヨモギ1

  • 科名・属名 : キク科 ヨモギ属

  • 特徴 :
     草丈15〜40cmの多年草。
     茎は叢生し、初めは絹毛がある。
     花をつけない茎は、先端部にロゼット状に葉をつける。葉は倒披針状へら形で、長さ2.7〜9cm、幅1.3〜2.3cm、先が浅く3〜5裂する。
     花をつける茎の茎葉は、葉は倒披針状へら形で、長さ1.5〜6cm、幅0.6〜1.6cm、先が浅く3〜5裂する。
     頭花は茎の中部より上に総状または総状円錐花序となり、葉腋に1〜2個づつ多数下向きにつける。頭花は半球形、径8〜10mm。総苞片は3列で、外片は卵状楕円形、中片と内片は楕円形、縁は透明膜質で黄白色。
     果実(痩果)は長楕円形、長さ約2mm。

  • 分布・生育地 :
     本州(中部地方) (国外:日本固有)
     高山の岩場、砂礫地

  • 花期 :   7〜9月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1983年7月31日  山梨県富士山
     中1・全体2 1979年8月15日  山梨県北岳
     中2・全体2 2018年7月20日  長野県美ヶ原
     (上、中1、中2は拡大写真あり、写真をクリック)
     中3・花序 1983年8月21日  長野県白馬岳
     中4・頭花 2018年7月20日  長野県美ヶ原
     左下・総苞、右下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     高山の岩場の隙間に根を下ろし、50cm近い花茎に点々と花をつけている姿は、目立たないヨモギ属にあっても、さすがに高山植物の貫禄がある。
     本州の高山帯で比較的よく見かけるヨモギは、このほか、タカネヨモギヒトツバヨモギなどで、ハハコヨモギなど分布の限られる種類を除けば比較的種類も少なく特徴があるので、覚えておくと一層花旅が楽しくなる。
     特に富士山は、火山荒原にいち早く進出してくるのがこの花で、他の花が少ないなか余計に目立った。

  • 葉

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ミヤマオトコヨモギ2

ミヤマオトコヨモギ3

花序

頭花

総苞