ヤツシロソウ(八代草)

Campanula glomerata var. dahurica


ヤツシロソウ1

  • 科名・属名
  • : キキョウ科 ホタルブクロ属

  • 特徴

  •  草丈40〜80cmの多年草。
     茎は直立し粗い毛がある。
     葉は互生し、広披針形または狭卵形で、長さ5〜10cm、縁に細かい鋸歯がある。
     花は茎頂または上部の葉腋に10個程度が、やや頭状に集まる。花冠は紫色の漏斗状で、2〜2.5cm、やや上向きに咲く。

  • 分布・生育地

  •  九州  山地の草原

  • 花期
  • : 8〜9月

  • 撮影月日・場所

  •  2009年8月9日 熊本県阿蘇
     中 1994年9月4日   同 上
     下左・花   同 上
     下左・葉 2009年8月9日   同 上

  • 撮影記

  •  昔、日本列島が大陸と地続きであった証として、大陸との共通植物を鮮満要素という。
     この花もその一つで、かっては九州の草原に沢山あったものの、今ではごく稀である。
     この花が阿蘇の草原にあると聞き出かけたものの、草原は広くどこを探していいかわからない。通りがかりの地元の人に尋ねたが、警戒して教えてくれない。やっと案内してもらった場所は、草原の一角、草に埋もれるように紫色の花が小さな群落を作っていた。
     草原植物の宝庫である阿蘇も、マツモトセンノウヒゴタイハナシノブなど、目立つ植物は激減し、野草園でなければ目にする事が難しくなった。
     畜産の衰退による草原の放置に加え、盗掘の被害も大きい。
     心休まる草原風景をいつまでも保ち続けて欲しいと考えるのは、部外者の勝手な想いだろうか。

    葉

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ヤツシロソウ2

花