シコクハタザオ(四国旗竿)

Arabis serrata var. sikokiana


シコクハタザオ1

  • 科名・属名 : アブラナ科 ヤマハタザオ属

  • 特徴 :
     草丈30〜40cmの多年草。
     茎はしばしば枝を分け、星状毛と2分毛が混じり、単純毛が多く混じる。
     根出葉は狭倒卵形で羽状浅裂し、長さ1.5〜3cm、葉柄が長く、粗い鋸歯がある。
     茎葉は長楕円形〜卵状長楕円形、長さ1.5〜3.5cm。基部は矢じり形となって茎を抱き、縁には大きな鋸歯がある。葉の両面と縁に、単純毛、2分毛と星状毛を混生する。
     花は茎頂に総状につき、花弁は4個、倒卵形で白色、長さ6〜10mm。
     果実(長角果)は線形で7〜9cmと長く、先端に長さ2〜2.5mmの花柱がある。

  • 分布・生育地 :
     本州(関東南部〜近畿地方南部)、四国、九州 (国外:朝鮮(済州島)、中国(東部)
     山地の岩場、岩礫地

  • 花期 :   4〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 1997年4月26日  神奈川県丹沢
     中上・全体2 2017年6月10日  静岡県静岡市
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花    同  上
     左下・果実 2018年5月28日  東京都西多摩郡
     右下・葉(茎葉) 2010年3月27日  静岡県焼津市

  • 撮影記 :
     丹沢のハルユキノシタを撮影に向う途中、道端でハタザオの仲間を見つけた。
    「神奈川県植物誌」によると、丹沢にあるハタザオは「イワハタザオフジハタザオと同定されたものがあるが、ほとんどは本種である」との解説や、茎が葉を抱いていることなどから本種とした。
     この仲間は本当に同定が難しいことは何度も書いているが、茎葉が茎を抱くかどうかが一つの判断基準で、後は花弁の長さや角果の形状など判断するが難しい。
     この花は、フジハタザオの変種で、全体が大きく、しばしば枝を分け、根出葉の柄が長く、長角果が長いのが特徴である。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
シコクハタザオ2

花

果実