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- 科名・属名 : キンポウゲ科 キタダケソウ属
注.APG分類では、属名はウメザキサバノオ属、学名(C. kirigishiense)
- 特徴 :
草丈17〜30cmの多年草。
茎は単純または1回分枝する。
根出葉は2〜6個、3回3出複葉、小葉は扇形、長さ1.5〜2cm、幅2〜2.5cm。質は膜質、黄緑色で、両面無毛。葉柄は長さ8〜15cm。頂小葉の小葉柄は長さ2〜8mm。茎葉は1〜3個、3全〜深裂する。
花は茎頂に1個つき、白色で、径1.9〜2.7cm。花弁は5〜10個、狭倒卵形〜倒卵形、長さ9〜13.5mm、幅2.5〜7.5mm、円頭または先が少し凹み、開出し、爪は長さ約1mm、両面とも橙赤色。蜜腺は半月形で、径約1mm。葯は長さ約1mm、花糸は長さ2〜4mm、少し広がる。萼片は5個、楕円形で、長さ4〜9mm、幅2〜5mm、開出する。
果実(痩果)は卵状球形、長さ3.5〜5.5mm、網目状の模様と短い柄があり、花柱は長さ約0.5mm、わずかに内曲する。
花は白色でやによく似ていて、1989年に新しく亜種として発表された。
前2種とは、花時に根出葉が完全に展開して大きく、第1次小葉の柄が相対的に長いところが相違点。 花は1〜2個と少ない。
- 分布・生育地 :
北海道(崕山) (国外:日本固有) 石灰岩の林下、草地
- 花期 : 5〜6月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1997年6月15日 北海道崕山 中上・全体2、以下全て 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
- 撮影記 :
あまりにもひどい盗掘のため、今では入山禁止となっている北海道夕張山地の崕山に生育している。
この山には昭和60年代初めと平成になってからの2回登った。
1度目はこの花の咲いている時期にもかかわらず、この花がまだ知られていないこともあって気がつかなかった。
2度目はこの花を目的に登った。写真のような大株がまだあった。遠くから見るとエゾノハクサンイチゲと見分けがつかず、そのせいで最初に登ったのは同時期にもかかわらず見逃していたのだろう。
キタダケソウ属(現在はウメザキサバノオ属)の花は、日本にはキタダケソウ、ヒダカソウがあるが、どの花も生育地が限定されており絶滅寸前である。
この花は、葉が黄緑色で膜質、花時に葉が展開しているなどが両種との違いとされている。
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