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- 科名・属名 : スミレ科 スミレ属
- 特徴 :
草丈4〜10cmの多年草。
有茎種。地下茎は細く、匍匐する。
茎は紅紫色を帯び、白色の短毛が密生する。
葉は互生、根出葉は少数で、茎葉は3個あり、2個が大きく、1個が小さい。茎葉の葉身は心形〜円形、径2〜4cm。先は鋭頭、基部は心形〜切形、縁に低い鋸歯がある。質は厚くて硬く、表面は深緑色で強い光沢があり、葉脈はくぼんで紫紅色、裏面は紫紅色であるが赤味を帯びないものもある。葉柄は2〜4cm。托葉は離生し、卵形で鈍頭、全縁。
花は1〜2(〜4)個つき、黄色で、径約1.5cm。花弁は長さ0.8〜1.2cm、幅0.5〜0.7cm、側弁は平開し、基部に毛束は無く、側弁や上弁の裏側が紅紫色を帯びるものが多い。唇弁には紫褐色の条が目立つ。距は嚢状で、長さ約1mmと短い。萼片は楕円形で鈍頭、緩やかに反曲し、長さ3〜5mm。付属体はほとんどない。花柱は撞木形、上部が小さく2裂し、各裂片が水平に伸び、突起毛はない。
果実(刮ハ)は卵形〜広卵形、暗紅紫色で、長さ6〜8mm。
- 分布・生育地 :
北海道(夕張山地)(国外:日本固有) 蛇紋岩崩壊地
- 花期 : 6〜7月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1986年6月29日 北海道夕張岳 中上・全体2 同 上 中下・全体3 1981年7月19日 同 上 (上、中上、中下は拡大写真あり、写真をクリック) 左下・花 1986年6月29日 同 上 右下・葉 同 上
- 撮影記 :
夕張岳の蛇紋岩崩壊地には、その地質の特殊性から、ユウバリコザクラやユウバリソウなどの固有種が生えている。
この花もその一つで、オオバキスミレの蛇紋岩変形植物と考えられ、全体に紅紫色を帯び、葉も厚く強い光沢がある。
残念ながら現在では、登山者の増による踏みつけの影響が大きいことから、自生地は厳しく立ち入りが制限されていて遠くから眺めるしかない。
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