アキノウナギツカミ(秋の鰻攫)

Persicaria sieboldi


アキノウナギツカミ1

  • 科名・属名 : タデ科 イヌタデ属
     注.APG分類では、ウナギツカミと区別できないとし、学名(P. sagittata var. sibirica)

  • 特徴 :
     草丈60〜100cmの1年草。
     茎は下部は地を這い、上部は斜上または直立し、稜角には下向きの刺がある。
     葉は互生し、卵状披針形〜長披針形、長さ5〜10cm、幅2〜3cm。先は尖り、基部は矢じり型になり、茎を抱くように張り出し、裏面中脈上に下向きの刺毛がある。托葉鞘は筒形で、先は斜めに切れた形。普通葉柄がある。
     花は茎頂に数個まとまってつき、花被は下部が白色、上部は淡紅色で、5深裂する。花序柄は有柄で無毛。萼は長さ3〜5mm、5深裂し、下部が白色、上部は普通淡紅色。
     果実(痩果)は3稜形で、長さ2.5〜3.5mm、暗褐色で普通光沢がない。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州 (国外:朝鮮、中国、ヒマラヤ、シベリア、極東ロシア)
     水辺、湿地

  • 花期 :   6〜9月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1994年10月15日  茨城県西茨城郡
     中上・全体2 1995年10月21日  東京都高尾山
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中中・花1 2017年10月5日    同  上
     中中・花2 2018年9月23日  群馬県館林市
     左下・托葉鞘 1995年10月21日  東京都高尾山
     右上・葉 2008年10月11日    同  上
     右下・茎(刺) 2018年9月23日  群馬県館林市

  • 撮影記 :
     夏から秋にかけて、山地や平地の川のほとりや湿地などで、ミゾソバやイヌタデとともにごく普通に目にする花である。
     ウナギツカミの名のごとく、茎に下向きの刺が生え(右下の写真)、ぬめりがあって滑るウナギでも捕まえられそうなことから和名が付けられている。ただ、下向きの刺はこの仲間には多く、刺だけみればママコノシリヌグイのほうが固くて鋭く、同定の決め手にはならない。
     この花は、茎の基部が横に張り出すのではなく後ろに張り出し、茎を抱く(右上の写真)ようになる。
     畑地に生え、丈が低く、葉が短く先が鈍形で托葉鞘も短く、花期が春か初夏のものを、ウナギツカミとしているが、最近のAPG分類によると、この花は生態的に変化が多いので同一種として扱っている。ここでは別種としているが。

  • 葉

    茎(刺)

    同じ科の仲間の花
アキノウナギツカミ2

花1

花2

托葉鞘