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- 科名・属名 : ウマノスズクサ科 カンアオイ属
注.APG分類では、属名(Asarum)
- 特徴 :
草丈5〜10cmの多年草。
葉は広卵形〜卵形、長さ2.9〜9.4cm、幅2.4〜7.8cm。先は少し尖るか円く、基部は開くか重なり、縁は平か少し裏側に湾曲する。表面は暗緑色〜緑色、普通光沢はなく、雲紋があるか無地、時に亀甲紋があり、表面や縁に疎らに多細胞の縮毛がある。葉柄は暗褐色で、長さ0.25〜0.8mm。
花は茎の先に1個つく。花弁はなく、萼筒は短い筒形〜浅い鉢状、黄茶色、赤茶色、暗茶色で、長さ4.3〜10.1mm、幅7.4〜11.7mm、開口部はやや開き、径4.8〜10.2mm、口環がある。萼裂片は三角形〜広三角形、先は尖るか円く、水平か斜めに斜上し、長さ4.4〜9.6mm、幅7.3〜13.2mm、萼筒より短い。萼筒内部は暗紫色、隆起襞は縦が(12-)16〜22(-24)本、横は4〜5本、
雄しべは12個、2輪に並び、花柱は6個で直立し、先は角状に細く伸び、開口部に達するかやや突き出る。
花が緑色のアルビノのものがあり、
●アオバナサンエンカンアオイ(仮称)(右上の写真)とした。
分布域が近接するスズカカンアオイとは、裂片上に腺毛はあるが短毛がないこと、萼筒内部の縦隆起の数が多いことなどが異なる
またヒメカンアオイとはよく似ているが、花期が異なる。
なお特徴の解説や類似種との違いは「日本細辛・寒葵保存愛好会」のHP(https://kanaoiasarum.jomdo.com)の記述を参考にした。
- 分布・生育地 :
本州(愛知県東部、静岡県西部、長野県南部) (国外:日本固有) 山地林下
- 花期 : 11〜4月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2018年4月1日 愛知県新城市 中1・全体2 2003年12月30日 同 上 中2・全体3 2023年1月17日 同 上 (上、中1、中2は拡大写真あり、写真をクリック) 中3・花1 同 上 中4・花2 2018年4月1日 同 上 中5・花3〜左下・萼筒内部 同 上 右上・アオバナ 2003年12月30日 同 上 (右上は拡大写真あり、写真をクリック) 右中・葉1 2023年1月17日 同 上 右下・葉2 2018年4月1日 同 上
- 撮影記 :
帰省のついでに遠回りして訪れた愛知県三河地方北部、川沿いの細い林道を歩いていくと道端にカンアオイの葉が見えた。
静岡県西部や愛知県東部に分布するイワタカンアオイと思ったが、分布域から見るとかなり北に離れていて?としていた。
その後、カンアオイ愛好家のHPなどにこのカンアオイが記載されていたので、正式には発表されていないが本種とした。
ここにはその後何度か訪れたが、盗掘によるものなのか行く度に個体数が減少しているのは寂しい限りだ。
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