ミズタカモジグサ(水田髢草)

Agropyron humidorum



  • 科名・属名 : イネ科 カモジグサ属
     注.APG分類ではエゾムギ属(Elymus)、学名(E. humidus)

  • 特徴 :
     草丈30〜50cmの多年草。
     茎の下部は後に倒れて地を這い、各節から新苗が出て、翌年の茎となる。
     葉は線形、長さ5〜15cm、幅3〜9mm。葉や葉鞘は無毛。
     花は穂状花序となって直立して太く、無柄の小穂が軸に圧着する。花序の基部は葉鞘内に残ることが多い。小穂は長さ17〜22mm、5〜7個の小花からなり、護頴の先には長い芒がある。
     包類の先は鋭く尖り、短い芒になる。護頴は長さ9〜12mm、背面は丸く、無毛で平滑、内頴は護頴と同長。

  • 分布・生育地 :
     本州〜九州 (国外:日本固有)
     田植え前の水田

  • 花期 :   5〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2021年4月27日  神奈川県川崎市
     中上・全体2、以下全て    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     田植え前の水田に生える植物の観察を主目的に、多摩丘陵の谷戸にわずかに残る水田に出かけた。
     これまで、この時期の水田の植物はイネ科がほとんどとの認識で、ほとんどと言っていいほど注意を払ってこなかった。
     その気になって観察すると、見慣れたスズメノテッポウや色違いのセトガヤなどに混じってこの花が生えていた。
     カモジグサに似るが、花序は直立し、小穂が中軸に圧着することが異なる。

  • 葉鞘

    茎下部

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花序

花序の基部

小花