|
- 科名・属名 : ラン科 ハクウンラン属
注.APG分類では、ハクウンラン属の学名は(Kuhlhasseltia)、以下変わらず
- 特徴 :
草丈5〜13cmの多年草。
茎は根元で少し横に這い、節から突起状の短い根が出て、先は立ち上がる。
葉は互生、根元に数個つき、葉身卵円形で、長さ3〜7mm、幅2.7〜7mm。葉柄は長さ3〜6mm、基部は茎を抱く。
花は花茎の先に数個総状花序につき、白色の花を咲かせる。苞は膜質で卵状披針形。側萼片は長さ4.5〜5mmで背萼片より長く、基部で合着して膨らみ、唇弁の基部を包む。側花弁は背萼片に密着する。萼片、子房、苞は細かい軟毛があり、萼片と側花弁は赤味を帯びる個体もある。唇弁は先が大きく、他の花被片から飛び出し、2つの四角を広げた形となり、中部は狭くて縁が少し波打ち、基部は距となり、先が2つの半球形の膨らみに分かれ、各々の内部に1個、細長い肉質の角状突起がある。
- 分布・生育地 :
本州〜九州 (国外:朝鮮、台湾) 常緑・落葉の混交林下
- 花期 : 7〜8月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1986年8月10日 栃木県日光市 中上・全体2 2020年8月7日 山梨県富士山麓 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中中・花序 1986年8月10日 栃木県日光市 中下・花1 2020年8月7日 山梨県富士山麓 左下・花2、以下全て 同 上
- 撮影記 :
日光市のその林は今は大規模な施設ができて面影も無い。当時は自然が一杯で、植物も豊富だった。
この花は、観光客で賑わうメインストリートを外れた林下に咲いていた。近くにはアオフタバランやシデシャジンなども咲いており、初めての出会いに喜んだ。
その後富士山麓で久し振りに出会ったが、日光の株は花茎や萼などが赤味を帯びていたのに対し、ここの株は緑色のものが多く、赤味を帯びた個体はわずかだった。
信州大の故井上先生は、本州産のハクウンランは伊豆諸島に分布するオオハクウンランと同じとしていたが、ここでは、本種の方が葉が小さく、側萼片もやや小さい点が異なり別種との従来の考え方に従った。
同じ科の仲間の花
|