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- 科名・属名 : ラン科 サイハイラン属
- 特徴 :
草丈30〜40cmの多年草。
球茎は球状で、数個が細長い根茎でつながる。
葉は2個、長楕円形で、長さ10〜12cm、幅3〜5cm。先は鋭頭、しばしば紫色の斑点がある。冬緑性で夏には枯れる。
花は茎頂に疎らに数個つき、斜上または横向きに咲く。苞は披針形、長さ4〜6mm。萼片は線状倒披針形、側花弁は線形、長さ約2cm、ともに鋭頭で黄褐色に紫色の斑点がある。唇弁は線形、白色で暗紫色の斑点があり、長さ約2cm、基部の半分以上は細い樋状で蕊柱の腹側に接し、基部はほとんど膨れず、その先は急に下(外側に)折れ曲がり3裂する。側裂片は披針形、長さ約3mm前後で斜めに立ち、中裂片は倒卵形、んがさ5〜8mm、円頭で縁は波状。蕊柱は長さ約14mm、先端の葯は円形。
- 分布・生育地 :
北海道〜九州 (国外:韓国(済州島)、中国) 亜寒帯〜冷温帯の落葉樹林下
- 花期 : 5〜6月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1(斑点無) 1986年6月30日 北海道札幌市 中上・全体2(斑点有) 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中中・花序(斑点無)、中下・花序2(斑点有) 同 上 左下・花 1985年5月26日 新潟県佐渡ヶ島 右上・葉 1986年6月30日 北海道札幌市 右下・球茎 2020年8月13日 栃木県那須塩原市
- 撮影記 :
北海道札幌市の近郊にある野幌森林公園は植物が豊富である。
ラン類も種類が多く、ある年の夏の初め訪れた時はサルメンエビネとともに多かったのがこのランだった。
雰囲気的にはコケイランに似るが、全体に大きくがっしりした感じがある。
本種は、上の写真のような萼に斑点がないタイプと、中上の写真のように斑点のあるタイプと両方が見られた。
和名のトケン(杜鵑)は、萼や花弁に紫色の斑点が入る姿を、ホトトギスの胸から脇腹にかけての斑紋に見立ててつけられているので、斑点のあるタイプが正統(?)と言うことになるのかもしれない。
また、葉は普通2個つくが、冬緑性で夏には落葉(枯れる)ので、緑の葉より枯れかけた葉がついていることが多い。
こ特徴は同属であるサイハイランでもよく見られる。
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